おじいちゃんのハンカチ

僕はその日卒業式を、終えて皆で晩御飯を食べていたんですよ。そしたら1番おちゃらけてるFが「この後学校裏の山で肝試しやんね？」と言いだしました。皆大賛成で急いで晩御飯を食べ急いで自転車を漕ぎ学校裏の山へ向かったんです。山へ着いた僕達は麓に自転車を止め山の入口へ向かったんですよ。でもみんな入口に着いた時点ですこし慄いていました。普段見ていた昼の山とは違い闇に佇む山は今まで感じたことの無い威圧感を放っていました。

僕達はFを先頭に山へ登りました。途中脅かしあったり1人隠れてみたりとふざけていた僕達ですが特に何も無く舗道された道の果まで着いたんですよ。取り敢えず写真だけ撮って帰ろうとした時です、ガサ 何かが暗闇の奥で動いた。

皆恐怖で動けない中僕は奥を見てみる事にしたんですよ。ゆっくりと歩みを進める。そして音のしたあたりで周りを確認すると何もいない。ひとまず安心した僕達は急いで下山して各々帰路に着いたんですよ。

翌日、昨日一緒に山に登った1人から連絡があり、昨日ハンカチを山に落としてしまったかもしれないと言うので仕方なくみんなを呼んで探しに行ったんですよ。でも昨日通った道には落ちておらず自転車を止めていた付近や晩御飯のお店にも確認を取りましたがどこにも無くその子はおじいちゃんの形見なのにと悲しげな表情を浮かべ家に帰ったんです。

その日の夕方その子から連絡があり知らないおじさんが家に届けてくれたとの事。良かったねと言い僕は電話を切ったんです。その話を高校の友達に話すとその子は訝しげな表情を浮かべ一言、「そのおじさんどうやってその子の家がわかったんだ？しかもその子のハンカチってこともどうやって知った？」

僕はこの事をその子に伝えられてません