ドライブ途中のより道
投稿者:ののこ (2)
私が20年以上前に体験した話です。
まだ免許取り立ての頃、友人と深夜ドライブに行くのにハマっていてその日は思いつきで横浜まで行こうということになりました。
運転は友人、助手席は私です。
私の住んでる所はS県なのですが、高速道路は有料で高いので横浜まで行くのに246から行く事になりました。
途中T沢湖の看板を見かけ、私は一度もT沢湖に行った事がなかったので友人に、
「ちょっとよってかない?まだT沢湖行った事ないんだよね」と言うと友人は、
「良いよ、私も行った事ないから行こう。」と
そしてT沢湖看板がある道へ入って行きました
暫くは順調に走行していたのですが、段々と山道になり、道が細くなり車1台通るのがやっとです。
友人が「道間違えたかも?湖も見えないし」と言うと私も窓から周りを見渡し、
「そうだね、道間違えたかもしれない引き返そう」と言いました。
ですが道幅狭く切り返す場所がありません、そのまま先を走るしかなく暫くすると行き止まりになってしまいました。
しかもまだ雪が残っていて、タイヤの後輪が雪の轍にはまってしまい動けなくなりました。
車から降り車を押しますが、タイヤが雪の轍のせいで空回りして動きません。
しかも携帯の電波はなく、車の左側はすぐ崖で下は川が流れていました。
成すすべもなく車内へ戻りどうしようかと悩んでいると、前方に明かりが見えました。
誰かいる?建物がある?と思い友人と車を降り明かりがある方へ行きました。
しかし明かりの先は大きな鉄の柵で、鎖でぐるぐる巻きにされ南京錠がかかっていました。
そこはシーズンオフのキャンプ場でした。
しかもさっきまで見えていた明かりが消えています、怖くなり急いで車に戻りました。
車内で友人と2人一晩明かすしかなく、朝になるのをまつ間、急な眠気に私は襲われ眠ってしまいました。
すると最初は夢かと思ったのですが、車の外、左後方から何人かボソボソ話声が聞こえるんです。
人がいる?まさか車の左側はすぐ崖…人1人立つのだって危ないのに…そんな事を思っていた矢先、ズズズッと雪の轍にはまっている左タイヤの後輪が崖の方へ動いて行きます。
そしてガタガタガタっと車体が凄い横揺れに襲われました。
「N!ヤバイ、車、崖下の川に落ちちゃう!!」
友人はパニックです、私も恐怖が頂点まで達していました。
ガタガタ、ズズズッ…ズズッ…駄目だ落ちるっ
と思った時、ピタッと横揺れもタイヤも動かなくなりました。
友人「今のは……まさかこの辺熊いる?」
私「え…?分からんいないでしょ?仮にいたとしても今冬だよ、冬眠してない?」
恐怖で2人共放心状態でした、ふと窓から外を見ると明るくなり始めてました。
私が「確かここに遭難する前、ずっと手前に少年自然の家があったの見た、管理人さんか誰かいるかもしれない。」と言うと、
友人も「駄目元で行こう、早く帰りたい」
と言い歩いて下まで行きました、1キロ位歩いだと思います。
やっとの思いで着くとお爺さんがいました、やはり管理者の方でした。
事情を話して、車を助けてもらいお礼を言い無事家に帰る事ができました。
最後に、お爺さんが教えてくれた事でゾッとした話が……。
「お嬢さん達よくこんな狭い道通ったね、ここは何台も車が落ちて死んでる事故が多いんだよ。」
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