マッチが売れた少女
投稿者:HPMPラブクラフト (6)
「マッチ、マッチはいりませんか?」
雪がシャンシャンと降り、青白い街灯がぼうっと淡く光る。
街の中は人、人、人、しかし人が通り過ぎる雑音の中で小さな女の子の声は打ち消される。
そして通行人の一人である、人相の悪い男が「チッ」と舌打ちをし、邪魔そうに少女に雪を蹴りつけた。
硬い塩の様な雪が少女の顔にかかる。
それでも、少女はマッチを売り続けた。
「マッチ、マッチはいりませんか?」
が、結果は変わらず人は目の前には止まらない。
「あーーーーーーッ!もう、いいわよ!」
そう言い放つと少女は黒い空に向かって投げた。
当然、マッチは雪の間に潰されてパラパラ落ちてくる。
「あんのクソ親父、今時、マッチが売れるわけがないじゃ無い!」
そうぶつぶつと不貞腐れ、少女は糸がほつれたポケットの中に震える手を放り込んで、歩いた。
と、「ーーーッドッ!」
生暖かい空気にぶつかり、少女は尻を厚い雪の上に沈めた。
「いったい、わねー!」
決して目の前を見ないで歩いていなかった訳ではない、少女の身体よりも線が細い女の子が少女の目には入らなかっのだ。
「だ、だいじょうぶ?」
チリんとした声に目を向ける。
小さな女の子であった。
自分よりもひと回り小さい女の子が、足元まであるスカートの雪を払ってペコペコとお辞儀している。
「ごめんなさい、ごめんなさい」
透き通る白い肌に反して黒い髪が対比して輝いて見える。
少女は一瞬「大丈夫よ!あなたの方こそ怪我はない?」と口を反応させようとしたが、唇を噛んだ。
そう、少女は売れ筋が悪いマッチが頭の中で拭いきれてはなかったのだ。
そして少女は大声で赤い斑点に向かって指をさす。
「たっく!あんたの所為でマッチがバラバラに飛び散ったじゃないの!」
自ら捨てたマッチはコックリと首を下に伏せている。
「あ、あ、あ、ごめんなさい、い、いまから拾います」
小さな口をパクパクさせる女の子は直ぐにでもマッチを拾うとするが
「バッカねー、地面に落ちたマッチを人様に商品として出せる訳がないじゃない!」
「え、え、そんなぁ」
たじたじする女の子に少女は勢い良く叫ぶ。
カオスwww
こわ
好き