嫌な置き土産
投稿者:青年将校 (7)
今年の夏、祖父が亡くなりました。
母方の祖父で89才、肺ガンでした。
亡くなる前、そろそろ危ないと聞き、仕事を休んで関西にある病院へ駆けつけました。
病室ではすでに意識が無い祖父を、祖母や母が囲んでいました。
付きっきりの看病でやつれた顔をしていた祖母達に私は交代を申し出ます。
その夜のことです。
祖父がフッと意識を取り戻しました。
「〇〇か?」
意外にもはっきりとした口調で祖父は喋ります。
突然名前を呼ばれた私は「ウン」とだけ返しました。
すると祖父は続けるのです。
「〇〇…俺な…アレや…アレ…3億円の事件あったやろ…アレ…俺やねん。」
それだけ言うと祖父はまた意識を失いました。
ドラマのように心電図がピーッとなり、看護師や祖母達が入ってきます。
慌ただしくなる病室。
しかしそれよりも私の頭は別の事でいっぱいです。
…3億円?…え?…どういうこと?
3億円事件の犯人…?…マジで…どういうこと?
葬式や通夜が始まってもずっと上の空でした。
遺品整理が始まり私は昔の写真やアルバム等、祖父について徹底的に調べました。
結論を言います。
祖父の話は完全に嘘でした。
3億円事件は1968年12月10日に東京都府中市で起こります。
実は12月10日は祖父の誕生日だったのです。
アルバムに35歳の誕生日を祝う白黒写真がありました。
また、祖母に確認するとそもそも祖父は結婚してから、関西圏から出てなかったのです。
祖母や母は…最後に冗談言ったのね…と笑っていました。
ただ、私は腑に落ちません。
あの目。
祖父のあの目は冗談を言ってるようには思えず真剣そのものでした。
kamaです。ヒトコワって言うより、イイ話だなぁ~と思って読みました。
悲しいです(T . T)
肺癌が脳に転移したことによる妄想やないかい(/_・、)。
さも、マジに黒歴史みたくかたったらあかんでΨ(`◇´)Ψ