あべこべ

俺はふと、自分の大きさがわからなくなる時がある。

頭の大きさ。体の太さ。脚の長さ。

自分の体があべこべになっているように感じる。

自分の頭がどんどん大きくなって、気付けば俺の部屋を埋めつくしている。

自分がどんどん細くなって、いつかはちぎれる。

脚がどんどん長くなってしだいに渦をまく。

そしてふと、元に戻る。

しかしある時戻らなくなる時がある。

俺の体はあべこべなままだ。

少しづつ元の形を忘れていく。

ついに俺は人間ではなくなってしまったのか。

いや、そもそも人間の形はおかしい。

人間は元々あべこべな形をしているんだ！

きっとそうに違いない！