鬼滅おじさん
投稿者:イーサン (2)
大学生の時、駅で変なおっさんと出会って大変な目に遭った。
俺が通ってた大学ってF欄で片田舎っていうのかな、人によって講義が終わるのはマチマチだけど、昼頃に大学の最寄り駅に行くと人が閑散としてんの。
で、俺は駅中のコンビニでパン買ってホームのベンチに座って電車が来るまでのんびり食べてたわけ。
そしたら、階段から緑と黒の市松模様が目立つ羽織りを纏って降りてくるおっさんが見えて、ちょっとかじってたパンを吹いた。
どうみても「鬼滅の炭治郎じゃんww」とか思いながらニヤニヤしておっさんの事見てた。
仮に炭おじさんと呼ぶ事にするけど、炭おじさん、ホームに降り立つなり近くに居たOL風のお姉さんに向けて「鬼が出た!」とかいきなり叫ぶのな。
お姉さんはすげえ怪訝な顔しながら無視を貫いて、トコトコとその場を離れてった。
炭おじさんはちょっと沈黙があったけど、すぐに羽織りを翻す勢いでこっち見んのよ。
「やべww目があったww」とか思ってると、炭おじさんは俺のところに走り寄ってきて「ぜんいつー!無事であったか!」と両肩を掴む。
そりゃちょっと金髪でプリン頭だったけど、「俺がいつ善逸になったんだよww」とか思いながらこれはもう電車来るまで炭おじさんと遊ぶしかないと思って、
「おう、炭治郎!元気だったか!」と返したわけ。
そしたら炭おじさん、すげえ嬉しそうに「拙者、鬼を退治してきたでござる!」と言うからマジで笑いをこらえるのが大変だった。
炭治郎の一人称「拙者」じゃないし、ござる口調でもねーよwwとか心の中でツッコんだ。
でも、ここで炭おじさんに恥をかかせるわけにはいかないと思った俺は、咄嗟に「すごいな炭治郎!もしかして上弦の鬼か?」って聞いたら、「じょう…げ…、そそ、それでござる!」とか言ってにわか知識丸出しで頷いてた。
んで、何か殺陣ごっこか知らんけど、急に手ぶらなのに刀を構える仕草をとったから、俺も思わず同じように空気という刀を握る。
すると炭おじさんは「ぜんいつ、お主、よもや鬼ではあるまいな?」と声のトーンを押し殺して口をムッと紡ぐ。
どういう設定だよwwwとかもうツッコミも追いつかなかったが、俺も「炭治郎…お前とは戦いたくなかったよ」とか言って、上段構えからゆっくり斬りかかった。
そしたら、炭おじさんもゆっくり俺の斬撃を躱しながらカウンターぎみで懐に横薙ぎの一撃を入れる。
俺は「うぐっ」とか言いながら力なくその場に膝を付き、「腕をあげたな…炭治郎」って決め台詞を吐いた。
炭おじさんは俺の演技に見惚れてたのかしばらくじっと見つめた後、不意に市松模様の羽織りを俺に被せてこう言った。
「ありがとう、ぜんいつ。俺はまだ見ぬ鬼を倒す為に、行かねばならぬ。…達者でな」
俺達は見つめ合った。
きっと歳は離れてても、今この瞬間、この場所で、二人は親友を超えた仲になった気分だった。
そんなまやかしも僅か数秒に過ぎなかったが、俺は「死ぬんじゃねえぞ」と呟き、炭おじさんはめちゃくちゃいい顔で「…うむ」と頷いて逆側の階段からホームを駆け上がっていった。
その後ろ姿はまさに戦場へ突き抜ける炭治郎そのものに見えた。
俺は炭おじさんから授かった羽織りの裾を指で摩り、有意義な一時を与えてくれたおじさんに感謝の念を向けた。
「キミ!そこの市松模様のキミ!」
そんな清々しい気分は唐突に失われる事になる。
俺は突然背後から呼びかけられて振り向くと、険しい表情を浮かべた男の駅員が三人くらい佇んでた。
思わず「へっ?」と驚愕すると、駅員の一人が「ちょっと駅事務所までよろしいですか?」と言った。
俺なんかした?炭おじさんと遊んでただけだぞ?
人間パニックに陥ると正常な判断ができないんだな。
俺はしどろもどろに「え、あの、俺、俺何も」とか分けわかんない事を発してたと思う。
すると後ろに立ってた駅員の一人がトランシーバー?みたい機械に「市松模様の男性確認」と誰かに報告してた。
まじで意味が分かんなくて俺はやっとこさ「俺、何もしてないです!」と声が出せた。
そしたら一番強面の駅員が「あなた痴漢なさいましたよね?」とか言い出しから、俺は「はあ!?」と更にパニックになった。
駅員に取り押さえられる、わけでもないが、駅員は俺が暴れ出さないように周囲を囲ってきた。
とんだ災難でしたな。因みにどこの地方ですか?
鬼滅のファンなので、面白かったです。
むむっ…お主はあのときの善逸でごさるか…!
久しいでござるな!
おもろかったw
相手にするには、修行がたらん((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
この親父には幻滅しました。
フイタ
仮にそんなおっさんいたとしても、スルーするわな
そのおっさん、市松模様の服、どこで買ったんだよ!
それがめっちゃ気になるわw
幻滅の刃ww
クソワロタ
鬼滅が流れ弾すぎるw