六甲山での出来事
投稿者:KYAKO (1)
学生時代は関西にいました。最初の夏、学校のメンバーで六甲で宿泊研修をすることになりました。当時、関西以外の出身だった私にとって六甲とは「名前を聞いたことのある有名な山」という程度の認識でした。数々の怪談話があることはその頃は全く知りませんでした。
私以外はほとんど関西出身だったため、六甲での宿泊研修のためにみんな怖い話をたくさん仕込んできていました。夜が更けるとみんなで宿泊先を抜け出し、真っ暗な山中で百物語を開催しました。
私はただシンプルに怖い話が怖いだけでしたが、関西の友人たちはものすごく盛り上がっていた記憶があります。
ひととおりイベントが終了して施設に戻ると、各々の部屋で就寝しました。部屋は1階が半地下のようになった建物の地上に近い2階で、部屋の外にはテラスというか、ウッドデッキのようなものが建物をぐるりと取り囲んでいる作りでした。
違う環境なことでなかなか寝つけずにいた私は、ずっと外から聞こえる音が気になっていました。ギシギシと木製のデッキを端から端まで歩いている音が聞こえていたからです。
それは猫かとも思いましたが、もっとしっかりとまるで人が歩くような足音でした。六甲という場所について何も知らなかった私は、百物語をしたからちょっと怖いと感じているだけだと、気になりつつも深く考えずに眠ろうと努力しました。
夜中に何度も目を覚ましましたが、足音はずっと続いていました。
翌朝、そのことを友人に話すと何人かは同じように足音を聞いていました。あれが何だったのかはわからないままですが、今、グーグルマップやアースで当時の宿泊施設を検索してみたら、まだ同じ名前で営業をしているようです。
結構怖かった