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呪い・祟り

ぴさんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

羽虫に噛まれて
短編 2023/03/12 17:42 3,218view
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私は昔、虫を虐めるような残虐なことをしていたことがあります。

弱いものを虐めることに快感を抱いていたのか、アリの巣を水攻めしたり、いろんな虫を水の中に沈めて遊んだりしていました。

今考えると悪趣味だと思いますが、子供の頃だとそれが悪いことだと思いませんでした。

そういうことの積み重ねもあり、もしかしたら私は虫に恨まれていたのかもしれません。

ある日私は虫に嚙まれたのです。

それは小さな小さな羽虫でした。

でも私はその虫に噛まれて、三日三晩高熱に魘されることになりました。

羽虫は私が窓のところにいるのを捕まえたものでした。

すぐにたらいに溜めた水に落とそうとしたら、急に手にものすごい痛みが走ったのです。

「ぎゃあ」っと叫ぶくらいに痛くて、何なら歯の鋭い小動物に噛まれたような痛みでした。

私は慌ててその羽虫を跳ねのけると、羽虫は床にぶつかりました。

弱った感じでそのまま窓の隙間から外に飛んでいきました。

手を見ると手から血がだらっと出ているのです。

私はびっくりして、すぐに母親に「虫に噛まれた」と訴えました。

それから傷の手当てをしてもらうと、急激に体調が悪くなり、それからベッドに寝込みました。

次の日は学校があったけど、それは休ませてもらうくらいに高熱が続きました。

病院に行ったときに先生に何に噛まれたのかと聞かれて、小さな羽虫だったと正直に言ったのです。

でもそれを否定されました。

理由は羽虫にしたら傷跡がおかしいのだそうです。

まるで動物に噛まれたみたいな深い傷ができていて、血がだらだら出ているのが不審だったみたいです。

いろいろ話したけど、両親は羽虫の噛み跡と一致しないと何度も言われたみたいです。

この高熱でうなされている間に見た夢があるのです。

それは私が巨大なモンスターに虐められる夢でした。

時には水風呂に浮かべられて沈められたり、煮えたぎった熱いお湯に突き落とされたり、体を引きちぎられそうになることもありました。

そして最後にそのモンスターに食べられそうになりました。

私は必死になって逃げて、トンネルの向こうに抜け出します。

本当に怖くて怖くて、たまらない恐怖心を抱きました。

熱がやっと下がってきた夕方に、ふと気づいたらブンブンという音がしていたのです。

夢から覚めた私はなんとなく、その音の方向を見ました。

そしたら窓に虫がたかっているのにぎょっとしました。

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