電信柱の女
投稿者:ふぇねっく~ (1)
これは私が20歳の頃のお話です。
埼玉県加須市に有名な電信柱の女性の話がある。
国道122号線を西に向かい車で走ると旧騎西町に入る。
左手に食堂セブンという食堂がぽつんと佇んでいる。
そこに左に入る梨の木畑に囲まれた砂利道がある。
街灯は無く不気味な雰囲気を醸し出す。
梨の木畑を抜けると突き当たりに一本の電信柱がある。
車のライトが当たると突然、目の前の電信柱に女性の顔が浮かび上がる。
その顔は、何も言わなくても恐怖感を抱かせるほどに不気味で、見ているだけで背筋が凍るような感覚に襲われる。
周囲には誰もいない。街灯の明かりも弱く、街全体が静寂に包まれている。何故かその女性の顔だけが、全てを支配するかのように、目立っている。
女性の悲痛な悲鳴が聞こえ、その瞬間に恐怖心が最高潮に達する。不思議な力に引き寄せられるかのように、その場所に立ち止まってしまう。
この電信柱は噂ではバイクで走行中の女性が車と事故に遭い
電信柱と車に挟まれ即死したという痛ましい事故が起きた現場である。
それ以来、この電信柱は女の亡霊が住み着いてしまった様だ。
私も実際に見たが電信柱にはっきりと女性の顔が雨に濡れたかの様にシミになって浮き出ている。
女の顔は怨念を感じる形相で恐怖で背筋が凍る。
地元の人もこの事は良く知っており何度も電信柱を建て替える様に行政にお願いした。
しかし、何度建て替えてもタワシで擦っても同じ女の顔が浮かび上がるのである。
私も興味本意で見に行った時に不思議な体験をした。
車で友達と心霊スポットを見るという事で、嵐山町の100円ババアを見に行き、次に川越の歩道橋に現れる白いドレスの女を見に行ったが、いずれも不発に終わった。
最後に騎西町の電信柱の女を見て帰るというコースだった。
その電信柱は本当に存在していて、皆、恐怖で無言であった。
もう帰ろうよと後部座席にいた友達が言った為、その場を逃げる様に離れた。
しかし、どこをどう右折しても左折してもまたその電信柱に戻ってしまうという最悪の恐怖体験をした。
その後、朝になりなんとか国道に出る事ができた。
その後のに話が悲惨で、私を入れて4人で見に行ったのだが1週間以内に全員が交通事故を起こした。
幸い全員命に関わる事故でなかったものの、女を侮辱した行為に対する報いだったのかもしれない。
それ以来そこに近づく事は無くなったが、今でもそこには女の怨霊が棲み着いているに違いない。
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