神様のお迎え
投稿者:Okesa (2)
短編
2023/03/03
23:51
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母の祖母、私の曾祖母にあたる方は私が産まれる前に亡くなっており、母が子供の頃に曾祖母に関する体験した話になります。
ある日私は母の部屋で一人の女性の写真を見つけました。
「この人だあれ?」と母に聞くと懐かしむ様に話し始めてくれました。
母は三歳の頃に両親が離婚した為、おばあちゃんが母代わりとなって可愛がってくれたそうで、よく色んな所に着いていっていたそうです。
そんなおばあちゃんは少し不思議な力を持っている方だったそうで、週に一度、家の近くにあるお寺に行っては無料で占って、困っている人を助けてあげていたそうです。
幼い母の記憶によればそれはコックリさんの様な方法で無くした場所を言い当てる、といった感じだったそうです。
ある日おばあちゃんが亡くなり、お寺でお経を読み上げている最中の事でした。
母が目をつむり、お経を聞いている最中どこからともなくお唯子の音が聞こえてきたそうです。もちろんお葬式の最中なので全員黙って聞いていたそうですが、お経が読み終わる頃には自然とお囃子の音も消えていったそうです。
お経が終わり目を開け周りの大人を見ると皆が口を揃えて「今日はお祭りなんてしていないのに」と不思議そうに騒いでいたそうです。
この話を聞き、私は皆に無償で困っている人を助けていた祖父母はきっと神様のお迎えが来たのだなと感じました。
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