遊びに来てくれた
投稿者:実ぃ菜 (1)
短編
2023/02/20
08:43
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私が小学生の時、10歳下の従兄弟が生まれました。
私は一人っ子で兄弟がいなかったので、初めて触れ合う赤ちゃんでした。
近所に住んでいたのでよく遊びにいって可愛がっていました。
その子は生まれつき心臓病とダウン症で、入退院を繰り返しながらも他の子よりもゆっくりゆっくり成長していました。
従兄弟が3歳くらいになった時、叔母一家は空気の綺麗な所でゆっくり過ごせるようにと北海道へ引っ越しました。
その年の夏休みに家族で遊びに行くと、ハイハイが出来るようになったり、名前を呼ばれて返事が出来るようになっていて、皆で成長を楽しみにしていました。
しかし、持病の心臓が悪化し、突然亡くなってしまいました。私にとっては人生で初めてのお別れで、とても辛かったです。
その後、叔母から贈り物が届くと、仏壇のない我が家にお線香の匂いがすることが何回もありました。分かるのは私と父だけ。出先の駅のホームでお線香の匂いに気付くこともありました。
1番ビックリしたのは、春先に山菜が送られてきた時にお線香の匂いと季節外れのセミが入ってたことです。
私はお線香の匂いがすると従兄弟が来てくれたのかなと嬉しく思っていました。
いつからか感じなくなってしまったけど、今でも不思議な経験だったなと忘れたことはないです。
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