あそこだけ怖い
投稿者:ぴ (414)
私は学校が好きで、友達が好きでした。
休みでも学校に行きたいくらいには好きだと思っていました。
だけど、その学校の中で、唯一行けない場所があったのです。
それが体育館裏の小道。あそこだけがなぜか怖いと思いました。
休み時間に鬼ごっこをしていると、そこを突っ切って逃げる子は多かったです。
でも私はそこだけどうしても行けませんでした。
その小道に近づくと、なぜか全身に冷や汗が出て、震えが止まらなくなるのです。
なんとなく本能的に通ってはいけない場所のような気がして、私は鬼ごっこで逃げる場所がなくても、そこだけは通りませんでした。
ある日学校に先生が転勤してきたのです。
すごく面白いいい先生でしたが、一つだけ気になるところがありました。
その先生は霊感があるらしいと噂があって、怖い話にとにかく弱い私は先生には近づかなかったです。
けれどある日、理科準備室で実験の準備をしているときに、その先生と話す機会がありました。
準備室からはその小道が見えたのです。
私がなるべく見ないようにしていたら、先生が「あそこ怖いの?」と声をかけてきました。
私が少し警戒して何も言わないでいると、先生は「あそこねぇ。いるよ。多分この学校で一番やばいのがいるね。首から上がひしゃげているからグロいし、絶対に近づかないほうがいい」と言ったのです。
私と先生が話したのはそれっきりでした。
私は小学校の6年間、絶対にそこには近づかなかったです。
今あの先生に会えるとしたら、本当に見えるのかどうか聞いてみたいです。
私は運がいいことに見ることはできません。ただ感じるだけなのです。
そういう人って、言わないだけで案外多いのかもしれません。
先生が言っていたことが本当だったとしたら、私は見えなくて良かったなと思います。
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