気配
投稿者:ルネ (3)
短編
2023/01/25
06:52
821view
初めてこの体験をしたのは、私が高校生の時です。
母はキッチンで夕飯の支度をし、私は居間でテレビを見ていました。
ちょうどテレビでは怖い話をしていて、私は興味津々でその話を聞いていました。すると、誰かが私の方へ歩いてくる気配を感じました。その気配はキッチンから私の横を通り、そのまま真っ直ぐ窓の方向へ歩いて行きました。
そして窓まで行った所で気配が消えたのです。
「え?」
私は思わず後ろを振り返りました。しかし、キッチンには支度をしている母しかいませんでした。私は母に先程起こったことを話したのですが、「気のせいじゃない?」と相手にしてくれませんでした。
確かに歩いてくる男性の気配がしたのです。足音はしなかったのですが、ドス、ドスという体重のある歩き方をした気配をあの時感じました。
気配はその後、感じることはなく、私自身、徐々に忘れていたのですが、最近になってまた感じるようになりました。
私がキッチンで洗い物をしていた時に、玄関に向かう気配を感じました。
そして玄関の引き戸を開ける音がし、てっきり母が出かけたのだと思い振り返ると、引き戸は閉まったままで、母は自室で寝ていました。
おかしいとは思いながらもこの事は母には言いませんでした。
前のページ
1/1
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 5票
関連タグ:
#テレビ
※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。