飼っていたポメラニアン

私が犬の散歩をしていたときに、向こうから走ってくる犬がいました。

首には首輪もリードをつけてあるのですが、飼い主の姿が見当たりません。

ただ飼い犬らしくすごく人懐こかったので、私はその犬を撫でてあげました。

私の飼い犬としばらく挨拶をするかのようにスキンシップをすると、その犬は私が来た散歩道の方へ走って行ってしまいました。

とてもかわいい真っ白い毛のポメで、飼い主さんが探しているかもしれないから捕まえておけば良かったと少しだけ後悔しました。

しかし、その帰り道の散歩中に、最近家の近くに引っ越ししてきたご近所さんに遭遇したのです。

みんな犬が大好きみたいで、私の飼い犬をたっぷり撫でてくれました。

そして前に犬を飼っていたことを教えてもらったのです。

スマホに写真があるというので、私は何気なくそれを見せてもらいました。

そしたらその写真にはついさっき見た真っ白な毛のポメラニアンとうり二つの犬が写っており、ちょっとびっくりしてしました。

私はまさかその写真と同じ犬とは思わずに、さっき駆け抜けていったリードを付けた犬の話をしたのです。

そしたら「うちの飼っていた犬の首輪とリードも赤なんですよ～」と言われました。

ご近所さんと別れて、その後姿を見送っていた私はふと足元に真っ白い犬がまとわりついているのが見えました。

目を擦ったら次の瞬間には見えなくなっていたのですが、私はなんとなくあの日見た犬はご近所さんが飼っていた犬だったのではないかと思っています。