許すことのできなかった婿

私の曽祖母の話です。

曽祖母には娘が2人いました。娘のうちの1人が嫁いだ婿が浮気をしました。曽祖母の時代感覚ではある程度の浮気は仕方がないと思って許されることが多かったのですが、その婿はあろうことか、フィリピンパブの女性に入れ上げ、その女性との間に子供まで作ってしまいました。

曽祖母は激怒して娘を連れ戻し、2人は離婚しました。離婚しても曽祖母の怒りは治らず、その婿の元に生き霊となって現れてしまいました。曽祖母は自分が生き霊になって出てしまったことは知らなかったのですが、婿の話を聞いた人からの噂話でそのことを知り、それからは生き霊はおさまったそうです。

婿は謝罪をしようと手紙を送りましたが曽祖母の怒りが治ることはありませんでした。曽祖母の家への出入り禁止を言い渡された婿。そのまま月日は過ぎていき、曽祖母は亡くなってしまいました。

しばらくして、曽祖母が亡くなったのを知った婿は線香を上げに、曽祖母の家に向かいました。曽祖母が亡くなったので他の家族も婿を迎え入れてくれました。仏間に行き、仏壇に座り手を合わせようとしたその時突然、閉まっていた仏壇の扉がバタンッと凄い勢いで開きました。それを見た周りの家族達は曽祖母の怒りは死んでも治ることはなく、婿を追い返そうとしているように見えたそうです。