お父さんの部屋
投稿者:パッシー (2)
短編
2022/12/26
11:49
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これは私の友達が体験した話です。
その頃、私たちは小学生で、夏休みを迎えていました。その日は友達のおばあちゃんのお家に遊びに行っていました。古風な、和室が多い趣のあるお家でした。そのお家の中を案内をしてくれていた友達がある部屋を指さして妙なことを言いました。「お父さんの部屋は入らない方がいいよ」私がどうして?と尋ねると、友達が暗い顔をして話し始めました。
小さな頃、友達とその妹がそのお父さんの部屋で遊んでいた時、外につながる障子がガタガタ音を立て始めました。はじめは、おばあちゃんかな?と思ったようなのですが、何か嫌な予感がしたそうで、妹と友達はその部屋の押し入れに隠れたそうです。
隠れた直後、障子が開く音がして、知らないおじさんの声で、「おいしそうなやつらがいるなあ」と聞こえたと言います。そこに、走って駆けつける足音がしたそうで、誰かな?と友達が思っていると、「早く帰ってください!」というおばあちゃんの声を聞いたそうです。
しばらくして、押し入れから出てみると誰もいなくなっていたと言います。その後、おばあちゃんは特に変わりなく、何も話したりはしなかったそうです。
「あれは不思議だったなあ」と、友達は語り終えた後ぼんやりと呟いていました。
その他にも友達のお父さんの部屋には色々な怪奇現象が起こったのだそうです。数年経った今でも起きているのかもしれません。
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