白昼に来店した赤いワンピースの女性
投稿者:土肥 (1)
これは私がパスタ屋さんでアルバイトを始めてまもない時に起こった話です。
席が何席もある少し大きめのお店だったので、なかなか席の名前が覚えられず、苦労していました。
そんな時、団体さんがご来店されたのです。
一番広いお席にご案内し、その後注文も受け、料理もお出しし、少し落ち着いた頃です。
厨房にいたパートの主婦さんが
「団体さんとほぼ同時に入って来た、赤いワンピースを着た女のお客様の注文はもう受けた?団体さんの隣の席に座ったはずなんだけど。注文受けるの忘れてないよね?」
と、言ってきたのです。
団体席の隣にも壁に少し隠れた席があるのですが、赤いワンピースの女性はそこに座ったそうなのです。
慣れない中、団体さんで焦っていてすっかりその女性の注文を忘れていたと思い、急いで注文を伺いに行きました。
でもその席には誰も座っていなかったのです。
戻ってパートさんに女性がいなかったことを伝えたら、待ってても注文取りに来ないから怒って帰っちゃったのかなと言われました。
でも人が出入りする時にお店のチャイムが鳴るので、出ていったらわかるはずなんですが、鳴った記憶もないのです。
疑問に思い、団体さんのお会計の時に女性の事を聞いてみました。
「隣のお席に、同時に座られた赤いお洋服のお客様がいらっしゃったと思うんですが、結構待たれてましたよね?」
と、聞いたら思いもよらない言葉が・・・。
「自分達の後にはずっと誰もいなかったよ。」
パートさんにこのことを伝えると確かに髪が長く、赤いワンピースを来た女性が入って来たのを見たと言うのです。
パートさんは嘘をつくような人ではないし、その後はとにかく怖くてたまりませんでした。
団体客の誰かに取りついていたのでしょうね。