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呪い・祟り

ノノさんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

古井戸の霊
短編 2022/11/06 14:54 1,953view

よく、地名にはその土地の特徴が表れているといいますが、私が生まれ育った地元は「〇戸」という地名です。

地元は普通の住宅街で、この地名にも何の疑問も持たずに暮らしていました。
しかし、大学入学して、縁もゆかりもない大学の近くで一人暮らしをして以来、不思議なことがつづいたのです。

一人暮らしで栄養状態が悪化したにもかかわらず、悩んでいた皮膚のアトピーとぜんそくが改善しました。家族と離れて一人でリラックスできたからかな、と思ったのですが、私は母が口うるさいぐらいのことはありましたが、家族仲はけっこう良く、一人暮らしが寂しいと感じていました。

他にも、細かいことを気にしてしまう性格だったのに気にならなくなり、一人暮らしをしてから体調もメンタル面も改善したのです。彼氏ができたわけではありません。彼氏はできず、友達も少ししかできなくて、決してリア充生活をしていたわけではないのに、不思議な変化だなと感じていました。

大学で新しくできた友人にふと「ぜんぜんリア充じゃないのに、大学に入ってからすごい体調が良くなったり、メンタル面もやばくなることがなくなったんだ」と話しました。すると、その友人は私に「それって、引っ越したからじゃない?」というのです。

詳しく話を聞いてみると、友人は私が〇戸出身と聞いたときから「あー、あんまりいい土地じゃないな」とすぐに思ったのだそうです。でも、知り合ったばかりだし、言わなかったのだとか。

友人は、霊感が強い上に、民俗学にも興味があり、地名からその土地がどんな土地かわかるのだそうです。〇戸という私の地元の地名は、「戸」が井戸を表すということでした。たしかに私の実家には庭に使っていない古井戸があり、なぜが近所の家にも井戸がある家が多かったのでした。子どもの頃は井戸にゴミを投げたりして、遊んでいたぐらいです。

不安を覚えた私が「井戸のなにがいけないの?」聞くと、より詳しく教えてくれました。
昔、井戸は作るのにお金がかかり、相当の権力者でないと掘ることができませんでした。井戸は権力の象徴だったのです。井戸があるところには権力者がいて、必ず雇われ人もいました。
雇われた人の人権などを無視していた時代には、権力者はいくらでも雇われ人をこき使ったのです。その生活があまりにも苦しくて、井戸に身投げもする人が多くいました。井戸に身を投げれば、その井戸は使うことができなくなります。井戸への身投げは、権力者への反逆でもあります。井戸には無念なまま亡くなった人の遺体が弔われることもなくそのままになっていたことも考えられます。

私が、うちの近所はなぜかたくさん井戸があった、と話すと、友人は「もしかしたら、身投げのたびにその井戸がつかえなくなって新しい井戸を掘ったのかもしれないね」と言いました。

友人の推察では、私のアトピーや喘息は、私の家の庭についた身投げした人の霊による影響も無視できないということでした。普段はそんなことは信じない私も、引っ越しとともになぜか体調が良くなったので、本当かもしれないと思えました。

家族がまだ実家に住んでいるので、いてもたってもいられず、どうしたらいいかを相談すると、友人が知り合いにやり方を聞き、除霊を施してくれることになりました。

実家の家族はそれぞれ肩こり、不眠、アレルギーなどの不調を抱えています。今度、除霊をしてもらって不調が治ってくれるのが1番ですが、もし治ったら、霊がいたことの証明になってしまうので、それも怖いなとも思ってます。

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コメント(1)
  • 家族の為にも井戸供養をいち早くした方がいいです。

    2022/11/07/00:04

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