廃墟で肝試ししたらとんでもない事になった

これは俺が大学生の時の話。

大学の夏休みが2ヶ月弱あり、時間もあったので友人3人と俺の計4人で、地元から少し離れた場所にある心霊スポットに行こうという話になった。

その心霊スポットは、いわゆる廃墟であり、大学生の俺達には絶好の暇つぶしの場所になりそうだった。

友人のAが車を出してくれることになり、4人で廃墟へ向かった。夜中の2時ぐらいだった。その道中、街灯も少なく建物も何も無いかなり真っ暗な場所に辿り着いた。

すると、Aが運転の交代をしようと言い出した。そこでBがAと運転を交代することになり、Bが後部座席から降りた。しかし、Aは運転席から降りることなく、そのまま車を発進させた。悪ふざけで少しBを置いて行ったのだ。

車に乗る俺達はケラケラ笑っていたのだが、Bの元へ戻ると、そこにはBと見知らぬ年配の女性がいた。年配の女性は何かをBに話しているようだが、何を言っているか分からない。年配女性は何も言わずにどこかへ消えて行った。

置いていったにもかかわらずBのリアクションは何も無く、黙って車に乗ってきた。Bに話しかけても、どこか会話がおぼつかない。そんなBを車に乗せて、再び廃墟へ向かおうとすると、Bが眠り出した。

少し様子のおかしいBが怖くなり、Aは廃墟ではなく、コンビニの駐車場に車を停めた。そこで皆でBを起こすと、Bは「廃墟着いた？」と言ってきた。Bに「大丈夫か？」と皆が声をかけるが、Bは何故自分が心配されているのか理解していないようだった。

しかもよくよく話を聞いていくと、車から降ろされた時の記憶が無いというのだ。年配女性のことも何も覚えていないようだった。その瞬間、俺達は一気に怖さが込み上げて、廃墟に行くのをやめた。

まさか到着前に不可解な出来事が起こるとは思わなかった。あの年配女性はなんだったのだろうか。