M子と安村似の話
投稿者:すもも (10)
これは友達のM子の体験談です。
私とM子は大学で知り合い意気投合してすっかり仲良しになったんですが、ある日、私の家で宅飲みしつつ心霊番組を観ていました。
作り物だと分かっていても私は結構怖くて「トイレいけなくなる」なんて、敢えてふざけて怖がっている事をM子に悟られまいと強がっていました。
それがいけなかったのか、番組が終わって暫くすると、M子が「怖い話しない?」と言ってきたのです。
「なんで?」
私は思わず聞き返してしまいましたが、M子は「物足りないから」とさっそく消灯して雰囲気づくりをすると怪談話を始めます。
M子から始まった怪談話は何処かで聞き齧ったような話を脚色した感じで、怖いのか面白いのか絶妙なオチを付け足したふざけたものばかりでした。
そういうことならと、私も有名な怪談話を自分なりにアレンジして面白おかしく話すと、M子は「ちょっとメチャクチャすぎ」と笑ってくれました。
互いに3話づつ話し終えた頃、M子が「じゃあ、次はちょっと私の体験談を一つ」とこれまでと違った雰囲気を纏って正座します。
その姿勢の正しさに思わずクッションを抱き締めた私は固唾を呑みました。
「これは私が高校二年の時の話なんだけどね……」
そして、M子はまるで何処かの怪談師の如く話し始めるのです。
M子の両親は辺疆の田舎出身で、長期の休みには祖父が暮らすその田舎に家族連れでよく帰省していました。
しかし、祖父はM子が高校一年の秋頃、急に体を悪くして寝たきりが続くようになり、ついには余命宣告を受けたそうです。
おじいちゃん子だったM子はそれはそれは悲しくて泣いたそうですが、両親に無理を言って高校二年から祖父の田舎に転入して祖父の最期に立ち会いたいと頼み込みました。
普通の両親ならわざわざ都会から田舎に引っ込み高校生活を祖父の看病に浪費すると言われたら拒否すると思いますが、なぜかM子の両親は少し考えただけですぐに許可を出してくれたそうです。
おかげでM子は高二に進級する際、祖父の家に移り住み、そこから一番近い高校に転入しました。
田舎すぎて街でよく見かける大病院なんかは家から車で一時間以上走らせないとありません。
そのため、祖父の診察は町医者と言うのでしょうか、村で唯一人の医師がたまに訪問にくるそうです。
狭い集落のようなその田舎は、隣人の付き合いが顕著なのか、田舎を出た両親の代わりに祖父の事をよく面倒をみてくれていました。
M子は挨拶がてら近所の人達に挨拶に回ると、その先々で「あー、○○さんところのお孫さんかいね」とか「大きくなってからに」と井戸端会議よろしく数人の主婦に囲まれた質問攻めにあったそうです。
と言っても、都会ではどんな暮らしをしているのか、テレビで流行ってる事は本当なのか、そんな誰しもが気になるような質問ばかりで拍子抜けしたとM子は言います。
そんな中、村で一番の権力者らしい地主のおじさんと初めて挨拶したM子は、何やら全身をなめ回すように見られた感じがして悪寒が走ったそうです。
加えて、息子が居るから仲良くしてやってくれと紹介されたその息子が芸人のとにかく明るい安村に似ていてちょっと笑いそうになったのを堪えていたら、おじさんが「息子が気にいったか?ははは」と何か勘違いして笑ったので、どう反応していいか困りました。
ただ、安村似の息子は「よろしくね」と手を差し出してきたので、M子も「よろしくお願いします」と会釈しながらその手を握りました。
が、なぜか安村(以下安村呼び)の手は異様に暖かくネバネバしていたらしいです。
そして安村はM子が転入した高校の生徒会に入っているらしく、転入初日に学校で話しかけられて吃驚していたら、そのままなぜか二人きりで学校案内が始まり、解放されるまでの間ずっと「俺は頭が良い」とか「親が金を持っているからみんな俺には逆らえないんだ」だとか少々ヤバめの自慢話を聞かされて精神的に参りました。
それでも学校生活は普通に友達も出来たのでそれなりに楽しかったそうですが、祖父の介護は覚悟していたとは言え壮絶だったと語ります。
M子が違和感に気づいたのはここに移住して約三ヶ月が経過した頃でした。
どうしてなのか、家から出ればいたるところで顔馴染みの御近所さんと出くわして挨拶されるのです。
御近所さんのほとんどは四、五十代のおじさんおばさんですが、やたら私の高校生活について聞いてくるは、学校に良い男は見つけたかなんて無粋な事にも遠慮なく踏み込んでくるので、温厚なM子も「ははは」とか「まだ分かんないです」なんて当り障りのない返事で誤魔化していました。
怖いな
田舎は本当にこういうのあるからさらに怖い
例のあの村もこんな感じなのかな
今でもそんなような風習が残っているでしょうね。
田舎は嫌いだな。
非常識が常識だから。
今ならSNSで炎上しそう
島根出身の友達は普通に許嫁がいたって言ってたし田舎には本当にあるんだろうね
自分の田舎にも幅きかせてる一族いるけど結局田舎でしかでかい顔できないんだよね
まぁ田舎で生きてる人にとってはそれでも怖いことなんだが
安村ぁ〜っごるぁ〜っ!
安村ってのが妙にリアルだw
田舎怖い
怖すぎだろ・・・安村嫌いになりそうだ・・・
実際、嫌々結婚した人も多いんでしょうね
普通に恋愛して結婚できるチャンスがあるだけ幸せなのかも
何もしてないのになぜか嫌われ者になる安村かわいそう
田舎の政略結婚きつ・・・
ためはち
2つとも潰して欲しかった
田舎者はキモいな。この人の両親もクソだけど
田舎住みたいって言ってる人ちゃんとそこがどういう場所か調べないと似たような目に合うから
実際この状況で襲われたら回避は困難
多分本当はやられてしまったんやろな。
てかじーさんを都会で看病しろよ
M子強いな、こういう子大好きだ。それに比べて両親のヘタレっぷりったらw我が子を守れもせん親なんぞ捨てられて当然。年老いたら絶対擦り寄ってくるが絆されたらダメだぞ!