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心霊

さくさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

気づかれた
短編 2022/09/13 21:16 1,351view
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20年くらい前の話です。

家族とスーパー銭湯に行ったときの事です。

銭湯から出て両親が会計をしている間、私は父から車の鍵を預かりひとあし先に車で待つことに。

助手席に座って家族を待っていると、通路を挟んで斜め前に駐車している一台の車に目がとまりました。前向き駐車の車には 、運転席に男性がひとり、男性のすぐ後ろの後部座席におかっぱ頭の赤い服の女性がひとり、後頭部が見えます。

(あの人たちも家族が来るのを待っているんだな…)そんな風に思いました。でも、なんだか違和感がある…

その車は当時流行っていた2人乗りのスポーツカーで後部座席はなかったからです。(じゃ、あの女性は横に寝てるってこと?でも寝てるにしては姿勢が良すぎるなぁ)そんな風に考えていると、後頭部が見えていたおかっぱ頭の女性が少しずつ、少しずつ振り返りはじめました。

私はなぜかその瞬間「気づかれた!」そうはっきりと感じました。

目をそらさなきゃダメなのに、目がそらせない。女性の顔が半分見えてきた辺りで、私は自分の頬っぺたを手のひらで無理矢理押してなんとか顔を背けました。

何か違うことを考えなくては!家で留守番する飼い猫の事を必死で頭に思い浮かべました。

間違いなくこっちを見ている…

感じると言うより、すぐ横で何かが私の顔を覗き込んでいるような、距離感がおかしくなったような感覚でした。それから、数分、数秒たった頃でしょうか、ドアが開く音がして家族が車に乗り込んできました。

視線は相変わらず刺すように感じます。車が動きだし駐車場から出るときも後ろを振り返りたい衝動に駆られましたがなんとか我慢しました。

あの時「見つかっていたら…」私はどうなっていたのでしょう。

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関連タグ: #事故物件#猫
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