真夏の夜の峠道
投稿者:トンノ (3)
短編
2022/08/31
07:37
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ある男性の話です。
彼は当時車が好きで、夜になると友達と一緒に車を走らせていました。場所は近くにあるダムにそった道路でした。そこは通行量も少なく、信号もないのでよく集まる所でした。
いつものように走りに行くと、先に何台か走りに来ていました。走り出すといつの間にか自分だけになり、対向車が一切いなくなっていました。そこは、幽霊が出るという噂があった場所だそうです。
頂上付近で戻ろうとすると、霧雨が降り出してきました。その時に直感的に「やばい」と思ったそうです。
その直感から速度は30キロ程にして、とりあえず事故にあわない様に走らせたそうです。しかし、だんだんと前方ライトが暗くなり、まわりが急に赤っぽく見え始めました。季節は真夏だというのに、背筋に氷を張り付けたように寒気も感じたようです。
家についてからも背筋が凍るように寒く、お風呂に浸かっても温まることはなく布団にくるまって寝ました。その怖い体験をしたにもかかわらず、なかった事のように誰にも話すことなく過ごしました。
一週間後、彼は仕事で運転中に横転事故を起こしてしまったようです。幸いにも単独事故で自分もかすり傷程度ですみました。事故後急に、あの気持ち悪い体験を思い出し、人にも話せるようになったそうです。
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