変わり身人形

うちの家では、代々不思議な言い伝えがあります。

子供を産んで10日目に、子供の眠るベッドの上に「変わり身人形」を置かないといけないという言い伝えなのです。

私の祖母も私の母も同じようにしたらしく、私にもその人形の作り方が受け継がれました。

基本私はそういうのに従うタイプだったので、なんの疑問も持たずに代わり見人形を置きました。

しかし、妹は違います。

代々受け継がれる儀式みたいなそれが「気持ち悪い」と言って、やりたがらなかったのです。

昔から怖いものが苦手で、人形を作るのも嫌みたいでした。

だから妹はその変わり身人形を作らなかったのです。

それでもなんともなく育ち、やっぱりただの迷信だったのかもと思った1歳の誕生日に、妹の子は突然不慮の事故で呆気なく亡くなりました。

私と妹は同じくらいの時期に長女を授かりました。

私の娘の1歳の誕生日に納屋に置きっぱなしにしていた変わり身人形は忽然と消えていました。

母に聞いたら母のときも人形はいつの間にかなくなっていたそうです。

これを聞いて私はやっぱりあの言い伝えには意味があるんだと思ったのです。

うちの家系はなぜだか男の子が生まれません。

代々女の子しか生まれないことも少しだけ怖いなと思っています。

変わり身人形を置くことで、何かから子供を守っているのかもしれません。