背中に乗る人
投稿者:ぴ (414)
私はいつもの朝、家で顔を洗ってゴロゴロしていました。
仕事がうまくいかずに心を病んで、仕事を辞め、た私は転職しないといけないのに、もう何も手につかずに、今の状況を誰にも知られたくなくて、実家の親にも友達にも連絡できない日々を過ごしていました。
孤独にニートのような生活を送っていたと思います。
そんなときに、私に電話がかかってきたのです。
電話に出ると、それは辞めた会社の先輩からでした。
相手は別に特別に仲が良かったわけでもないし、覚えている限りあまりしゃべらない地味な人です。
飲み会のときにそういえば酔っぱらって無理やり連絡先を教えてあったことを思い出しました。
そしたらその先輩の様子がおかしいのです。
電話で私に「すぐにでもお祓いをしてもらってほしい」と言うのです。
意味が理解しがたく、適当に相槌を打って電話を切ろうとしました。
でもその先輩は「一刻も早く」と今まで聞いたこともないくらい強い口調で言ったのです。
通話を終えての私は、急に何なのだろうとちょっと苛立ちすら感じました。
放っておいてほしいと心から思いました。
そう思いつつ、洗面台の鏡を見たときに、私はとんでもないものが見えました。
鏡の前を通った一瞬でしたが、鏡の中の自分の肩に人が乗っかっているのが見えたのです。
一気に私は怒りから恐怖の感情に変わりました。
見えたのはほんの一瞬でしたが、絶対に見間違いじゃないと思います。
すぐにさきほど電話がかかってきた先輩に電話したら、「迎えに行くから」と言われて、その後なぜか私は先輩の車で知り合いらしき人にお祓いをしてもらいました。
きっちりお金は取られましたが、私はその日から急に気分が軽くなり、ニート生活から抜け出すことができました。
私がその先輩を信じたのは先輩が「背中のがずっと気になっていた」と私がそれを見たことを伝える前に言ったせいなのです。
私はこれを聞いてさっき見たものが思い浮かび、ぞっとなりました。
先輩がいうには仕事がうまくいかなかったり、調子が出なかったり、最終的に仕事を辞めてニートになった理由はそれが影響していたらしいです。
お祓いをしてからすごく自分を取り戻せた気がしますし、今は転職して新しい職場で再出発しています。
お祓いを紹介してくれた会社の先輩とは、あれ以来連絡が取れなくなり、今はもう何のやり取りもありません。
でもいまだに先輩には感謝しています。
連絡が取れない、ですか...
めでたし