AirDrop

ホストをしていた頃の話です。

とても熱心にお店に通ってくれていた女の子がいました。

しかし、ある時からストーカー化し、お店も出禁になりました。

警察の方に接近禁止令も出してもらい、ひとまずは落ち着きました。

それから半年ほど経ち、心の傷も癒えてきた頃のことです。

昼間のバイトへ行こうと電車に乗っていた時でした。

僕が当時好きだったアニメのキャラの名前で突如エアドロが飛んできたのです。突然だったこともあり反射的に許可を押してしまったのがいけませんでした。

表示された画像は血まみれの女の子の腕や脚…中には肌に鋭利な刃物で傷をつけて、僕の名前を彫っているものまでありました。

一瞬であの子だと察して血の気が引くのがわかりました。

恐る恐るあたりを見回すと、こちらをじっと見つめるそれらしき人物の姿が…しかし髪はボサボサに伸び放題、シミだらけでよれよれのシャツから伸びる細い腕は切り傷の瘡蓋が何層にも重なりほとんど真っ黒に変色してしまっていました。

ざんばらの髪からこちらをじっと覗く目だけはぎらぎらと光り異様な雰囲気を放っています。

実際は１秒も目が合っていなかったかと思いますが、あまりの光景に数秒間にも感じられました。

それからすぐに別の車両に移り、慌てて降りてその場を後にしました。

怖すぎて二度と会いたくないです、、、