修学旅行の夜　午前2時

これは私が小学6年生の頃の修学旅行での話です。

私が通っていた小学校は6年生時に隣県へ修学旅行に行くことになっていました。

先輩たちが代々利用してきた旅館は、幽霊が出るという噂があったため少し憂鬱な気持ちに。

しかし、私達の代では、別な温泉旅館に宿泊先が変わり、これで心置きなく旅行を楽しめる、そう思ったのです。

実際修学旅行は特に大きな問題もなく進みました。

宿泊先は広くきれいで、ホテルと旅館を足して2で割ったような雰囲気でした。

女子は3班くらいに分かれてそれぞれ大部屋に宿泊だったと思います。

友達とクラスの男子で誰が気になるかなどの話をしたり、軽く枕投げをしたり、修学旅行の定番のような楽しい時間を過ごしました。

その翌日。ほかの部屋に宿泊していた女子グループが何やら不安そうな顔でひそひそと話していたので、何気なくどうしたのか尋ねてみたのです。

すると、昨日の夜その女子グループの部屋で起こったことを話してくれました。

その部屋は6人ぐらいで泊まっていて、半分くらいの人数はおしゃべりをしながら夜中を過ぎてもずっと起きていたそうです。

すると突然、眠っていたうちの1人がガバッと起き「今2時なの？」と発してそのまままた眠ってしまったとのこと。

起きていた子たちは、その子が寝ぼけたのだと思って始めは笑ったそうなのですが、ふとあることに気が付いてたまらなく心配になったそうです。

起き上がった子は、壁に頭を向け、壁に対して垂直になって寝ていたため、背中を起こすと壁を背にする姿勢になります。

当然壁にかかっている時計は見えるわけがないのですが、その時計がちょうど彼女の言葉通り午前2時を指していたというのです。

現場にいなかった私ですらゾッとしたので、一連を目の当たりにした子たちはどれほど気味悪かったでしょうか。

なぜそんなことが起こったのかは未だわかりませんが、その不可解さに思い出すたび少し背筋が寒くなります。