死にたくなる部屋

私の向かいのアパートには「自殺したくなる部屋」というのがあるという噂がありました。

ただの噂なのですが、そこに住んだ住人の約半数が自殺で亡くなっているのです。

自殺じゃなくても、とにかくその部屋でお亡くなりになる人が多いのだとか。そんなアパートが私の住んでいるアパートの真ん前にあったのです。

そういうのをすべて頭から信じているわけではありません。しかしなんだか気味が悪いので、私はそのアパートに近づきませんでした。

そんなアパートの住む人の気もしれなかったし、すごいなと思っていました。

そんなあるときに私はアパートの一室がおかしいことに気づいたのです。

ある一室の電気がついたり、消えたりしているのです。

コンビニ帰りの夜に部屋に入ろうとして振り返ったら、丁度私の部屋の正面にある部屋の明かりが点滅していたのです。パチパチパチパチと電気がついたり消えたりを繰り返し、それを見ていたらぶるっと身震いしてしまいました。

それからしばらくしてからでしょうか。救急車の音が鳴り響いて、外が騒がしくなりました。すごく嫌な予感がしていました。

その後聞いたのですがその日あのアパートで誰かがお亡くなりになったそうです。

私はそれを機にアパートを出ることにしました。だって分かってしまいましたから。

点滅して異様だったのは私の住んでいる部屋の真正面にある部屋なのです。きっとそこが曰くの自殺したくなる部屋なのでしょう。