旧校舎の女子生徒
投稿者:剛毅 (5)
私が高校生だった時の体験談です。
当時私が通っていた高校は、地元では有名な進学校でした。進学校ということもあり、創立70年の歴史ある学校です。
その学校には私達が使っている校舎の隣りに、2階建ての使われていない古い校舎(旧校舎)がありました。
私達が使う新校舎から渡り廊下で旧校舎に行くことができるのですが、出入口は常に施錠がされており、中に入ることはできないようになっています。
旧校舎は使われていないだけあって、古臭くてどんよりとした雰囲気を醸し出しており、全ての窓にはカーテンがかけられて中が確認できないようになっていました。
どこの学校も同じですが、そんな雰囲気満載な校舎があれば、「霊が出る。声が聞こえた。」などという噂が流れることがあります。
とはいえ、私の学校は進学校ですし、もう高校生なので、そんなことを信じる生徒なんてほとんどいない。そう思っていました。
しかし、この学校は違いました。
生徒たちは、旧校舎に「いる」ことを知っていたのです。
そんなバカな。そう思って知り合いの先輩何人かに話を聞いて見ると、
「昔在学していた女子生徒が死んでしまい、今も旧校舎にとどまっている。その子は1年生だった。旧校舎にいたのを見た。新校舎に現れることはない。」
という話を聞くことができました。
何で死んだのか、何故今も旧校舎にいるのか。その理由は全く分かりません。
しかし、「新校舎に現れることはない。」と聞いて安心したのを覚えています。
旧校舎自体は、校舎の外側に簡単な仕切りが作られおり、校舎に近づけないようになっています。
霊云々というより、老朽化による事故防止といった観点からだとおもいますが、1年に一度だけ、その仕切りの中に入る日があります。
新入生が入る4月です。新学期が始まるとすぐに、各クラスごとに外に出て仕切りの中に入れられるのです。
仕切りの中に入るといっても、旧校舎に近づくだけで校舎内に入ることはありません。
そこで神主さんに祈祷のようなことをしてもらうのです。
祈祷自体は短時間で終わるのですが、「何のための祈祷なのか、何故旧校舎に向けて行うのか。」などの説明は一切ありません。
先生に聞いても、「行事みたいなものだよ。」と言って、はぐらかされるだけす。
変な風習だな。祈祷自体を不思議に思っていない生徒もいます。
祈祷が終わると、先生が木箱に入った大量のお守りを一人一人に配っていました。
お守りというより、1センチ位の大きさしかない簡素な布袋の様なものです。
教室に戻って早々、それを生徒手帳と手帳を覆うカバーの隙間に入れておくように言われます。
「これを入れておくと大学受験うまくいくらしいぞー。」
先生の一言で、全員が素直に従っていたのを覚えています。
そのまま何事もなく時は流れ、私は2年生に進級しました。
新1年生も入ってきた春。恒例行事が始まりました。
昨年同様、祈祷をしてもらい、新しいお守りを受け取ります。1年前と違うことは、去年受け取っていたお守りを先生に返すことです。
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