目の前で突然ボトっと落ちてきた
投稿者:らん (7)
私が高校3年生の時の話で、頑張ってきた部活も引退した秋頃のことです。
私は吹奏楽部で、3年生で引退してもなるべく部活で1、2年生に教えたり世話などをするように、という慣例があるところでした。
その日は少し体調が悪く、頑張れば部活に行けなくもないな、というくらいでしたが引退したし、という甘えから、部活には行かず家に帰ることにした、その帰り道です。
そこは学校の校門のすぐ横で、帰る方向が同じ生徒が多く通る並木道でした。
木々は低く、歩いている頭のすぐ上に葉っぱが茂っている感じです。
自転車通学でしたが、乗るとお腹が痛い気がして、自転車をひいてゆっくり歩いていました。
すると、私の自転車のカゴに何かが落ちてきました。
並木道の木から落ちてきたようです。
手のひらくらいの大きさに見えて、突然だったので少し怖かったのですがカゴの中を見ました。
するとそれは、頭のないスズメの死骸でした。
ビックリしましたが誰か友達と一緒でもないし、周りは同じ学校というだけの知らない生徒ばかりだったので、声も出せずに立ち止まってしまいました。
とにかく私の自転車のカゴに入ってしまったスズメの死骸をどうにかしなければ、と思いました。
運良く、死骸はカゴの中に置いていた私の学生カバンとカゴの間にあり、カゴの底までいっていなかったので、死骸に触らずカバンを持ち上ただけで死骸をカゴの外にやることが出来ました。
あまりに怖くて、すぐその場からはなれました。
後から考えれば、おそらくスズメを餌とするカラスか猫か、捕食側の動物が木の上にいて、うっかり落としてしまったのかなと思います。
しかし、なぜ私の自転車に、と当時は部活をサボった罰の様にも思えました。
しかも後で家族や友人に言っても、ふうん、と言うくらいで、あの衝撃を共感してくれる人はおらず、寂しい思い出の一つとなってしまいました。
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