不思議な電話
投稿者:free (4)
短編
2022/04/24
08:51
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当時、私は実家の親元を離れ実家は九州、私は家族4人関西で暮らしていました。
仕事は営業をしていましたので、海外を含めた日本全国出張に出かけ、日々忙しくしていました。
実家の両親も85歳を超えており、体のことは心配していましたが、両親の面倒は姉がみていてくれたので、遠くにいながらも少しは安心でした。
しかし、母親の体調が急に悪くなり検査入院しましたが、その時にすい臓がんが見つかり、それからはがんの手術に向けて入院することになってしまい、検査の立ち合いなどで、月に何度も九州と関西を行き来していました。
出張が相変わらず多かったので、時間のある時は電話で励ましたりはしていましたが、すい臓がんは手術も難しく年齢的にも手術しても治る見込みが少なく、抗がん剤の治療に切り替えることにしましたが、結果、治療のかいもなく亡くなってしまいました。
それは亡くなる前日でした。姉から携帯電話に「残念だけど母親が亡くなりました」との連絡があり、私は急いで決まっていた出張のキャンセルのため、得意先、ホテルへ連絡を入れたのです。
少し落ち着いたところでふと携帯電話を見ると姉からの着信履歴がありませんでした。
不思議に思い姉に連絡をしてみると、危篤だからちょうど電話をしようと思っていたがまだ架けていないということでした。
今でも不思議に思っているできごとです。
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