作り出される怖い噂
投稿者:TOHA (18)
私と主人が通っていた茨城県水戸市の学校には奇妙な話があります。
それは主人が小学校の時から高校卒業まで言い伝えられている話です。
私達の学校は寄宿舎から通う生徒と隣の医療施設から通う生徒とスクールバスで通う生徒の3つに分かれています。
寄宿舎と医療施設から通っている生徒は、自宅に帰ることがあまりなく、娯楽の少ない集団生活を送っていました。
小学生から高校生までが生活しているので、先輩から語られる根拠のない奇妙な話が受け継がれるものです。
普段から敷地から出ない生活ですので、嘘か本当か分らない話も都市伝説のように存在していました。
その中の一つが学校近くにあったお化けの家の話で、その家は、学校の前の通りにあった普通の民家です。
人気のないことから誰が言い始めたのか「あそこはお化けの家だ」と生徒間で話が広まり約300人の全生徒が話す共通の話題になりました。
閉鎖された環境でそんな話が出て来ると、真実を確かめることはなく例えば殺人現場だったとか、一家心中があったとか話が大きくなります。
子供の言っていることだと今思えば微笑ましいことですが、当時はそれなりに怖がられたものです。
数年経って、誰かの父兄が真実を確かめようとその家に訪ねて行ったそうです。
当然ながら普通に住んでいる方がいて、その校内での噂話を伝えたところ、住んでいる方に憤慨され、学校に苦情を言いに来たそうです。
すぐに担任の教師から全生徒に注意がなされ、証拠がない話をしないようにと言われました。
主人はその時、「なんだ。つまらないな、壁がすすけていたから不気味に見えたのに。」と思ったそうです。
当時はテレビゲームもスマホもなく、テレビしかない娯楽のない環境にいると変な想像力だけが広がってゆくという話です。
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