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心霊

Muruさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

ベランダの人影
短編 2021/01/25 09:09 1,889view
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マンションの3階に住んでいた頃のお話。

夜目のきく方だった私は、節電もかねてあまり電気をつけず外の光を頼りに生活をしていました。
昼は日光、夜は近所の建物からこぼれる明かりや時には月光という具合です。
1階ならばともかくこの階の高さなら覗かれることもないだろう、万が一近くの建物の上層階から眺めたとしても、外の方が明るければ中までハッキリ見えないだろうというのもあって、カーテンを開けたまま夜遅くになることもままありました。
とは言っても、やはり寝る前にはさすがに防犯上と安心感のためにカーテンを閉めることにしていました。

しかし、そんな生活を送っていたある日。
いつの間にかソファーで眠ってしまっていた私は深夜に目が覚めました。
満月に近かったためか、近所の電気がほとんど消えている時間でも外はほの暗い程度であったのをおぼえています。

カーテンを開いたままであることを思い出した私は、このまま朝まで眠ってしまおうかと面倒に思いつつもベランダの方へ目を向けました。

私は、ハッキリと覚醒し思わず固まってしまうことになります。
ベランダのガラスの片方に、真っ黒い大人2人分程の影が張りついていたから。
しかも、ご丁寧にしゃがんだような高さ、丁度私が横になったままそちらを向いた時に目線が合うような高さにその人影らしきものの顔はありました。
瞬間的にマズいと直感した私は息を潜めて、まだ気づかれていないと自分を誤魔化しながらゆっくりと頭から毛布を被りました。

あれから朝までその人影がずっとそこにいたのか、それとも消えてしまったのかは知り得ません。もちろん正体も分かりません。
もしあの時に逆光でなければ、部屋に電気がついていたら、私はその影でなくハッキリとした「何か」を見てしまうところだったのでしょうか。
それ以来、私が部屋のカーテンを開けることはなくなりました。

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関連タグ: #深夜
コメント(1)
  • もー女の子は気をつけてよ!
    3階くらい平気でベランダに這い上がるっていうし。

    2021/01/25/11:10

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