火の玉が胸に飛び込んできた
投稿者:tororo (6)
短編
2022/04/02
10:39
950view
私が金融機関の研修インストラクターをしていた時の出来事です。
山梨県の石和にある大学のセミナーハウスを借りて、10人ほどの職員を対象に1泊2日の研修会を行いました。
1日目の研修が終わり、私は与えられた個室に戻りました。翌日の研修の準備も終え早めに眠りにつきました。
未明に、ギンギン、ギンギンという音で目が覚めました。部屋の天井の片隅からその音が聞こえています。
音のする方向に目をやると、濃い緑色をした火の玉が燃えながらギンギンと音を出しています。
私の身体は金縛りにあって動きません。
その時緑の火の玉がものすごいスピードで私の胸にドスンと飛び込んできたのです。
意識はあるのですが体がまったく動かないのです。
朝方になってやっとベッドから離れることができました。
悪い夢を見たのではなく、間違いなく緑の火の玉が私の胸に飛び込んできたのです。胸に痛みが残っているのです。
この話は研修中は誰にも話しませんでした。
1年ほど経ったとき、例の研修に参加していた職員とたまたま再開する機会がありました。
火の玉の件を忘れることができなかったので思い切って話してみました。
彼は真面目な顔で答えました。「それって夢なんかじゃありませんよ。石和には江戸時代に処刑場がありました。
処刑場の場所にセミナーハウスが建っているんです。処刑された人の霊を見た人間は結構いますよ。」と。
前のページ
1/1
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 3票
※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。