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不思議体験

tororoさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

不思議な出会いと私を拝む少女の恐怖
短編 2021/08/05 07:38 2,019view

これは、私が26歳の頃に東京の専門学校へ通っていた頃の恐怖体験です。
私は当時、地元の金融機関に就職し、6年の歳月が経っていました。
新社会人の頃は、仕事に対してやる気に満ち溢れていたものの、段々と「この仕事は自分に合っているのだろうか?」という疑問を持ち始めていたんです。
休日になると、転職のことばかり考えるようになりました。
「エステティシャンになって、肌に悩みを抱える人を救いたい」という気持ちを抑えることができず、東京にある美容専門学校の資料を請求。
人に相談ばかりしてきた私でしたが、この時ばかりは自分の人生を真剣に考え、東京の美容専門学校に通うことを決意したんです。
東京の専門学校では、偶然にも同じ歳の子や近い歳の子達ばかりが入学しており、気も合ったことから学校が終わると原宿や新宿に行って遊ぶようになりました。

そんな矢先、学校の先生から海の日にみんなでバーベキューをしないかと誘われ、迷った末行くことに。
私は東京から新幹線で2時間の距離である地元から、朝イチの新幹線に乗って東京へ向かいました。
その日はたくさんの人が集まって、楽しい一日を過ごしたんです。

夜遅くまで遊んだ私は、一人ホテルに泊まろうと思い、ホテルを探しているとクラスメイトから「うちに泊まりなよ」と言われ、クラスメイトの家に泊まることになりました。
そのクラスメイトの家に行くと、高校生の男の子がいたんです。
私は「先客がいたのかな?申し訳ないな」と思っていると、クラスメイトもクラスメイトの家族も「導かれたんだね」と口を揃えて言ってきました。

私は「どういうことだろう?」と考えていると、クラスメイトの子に「この男の子は不思議な力があるから、何か相談してみて」と言われたんです。
私は「自分よりも歳の若い子に何を相談したらいいんだろう」と思っていると、勝手に涙が流れてきたんです。
そして、男の子に今悩んでいることについて相談しました。
すると、自然と気持ちが軽くなってきて、今まで感じたことのないような気持ちになったんです。
その男の子は私に「人の悪い感情がついているから」とお守りをくれました。

翌日、夜行バスに乗って地元へ帰ることになり、クラスメイトの家を後にしました。
その日の夜行バスで、一人眠っていると何か手に肉のような感触があったんです。

寝ぼけながら目を覚ましてみると…私の前の席に座っている高校生の女の子が座席から身を乗り出して、私の手を握ってひたすら拝んでいました。
私は怖すぎて、声も出ない状態で固まっていると、女の子はすっと自分の席に戻って行ったんです。

バスは走り続け、朝になると高校生の女の子は何事もなかったかのように帰って行きました。
暗闇でしたが、意識があるようには見えませんでした。
私はクラスメイトの家で会った男の子にもらったお守りをポケットから取り出してみると、少し黒くなっているのに気がついたんです。
私はそのときに男の子に「人の悪い感情がついている」と言われたことを思い出しました。
バスでの出来事も、それが関係しているのかもと思ったのです。
というもの、私は怒っている人や悲しんでいる人がいると、何故か腕が痛くなることがよくあったからです。

今回のように知らない人に触れられたら、間違いなく腕が痛くなっていたと思いますが、お守りのおかげか痛くありませんでした。
もしかしたら、お守りが黒くなっていたのは、悪い気を吸ってくれたのかもしれません。
男の子のお守りの期限は1年とのことで、不思議とお守りをもらった日を境に腕が痛くなることは無くなりました。
今でもあの時の不思議な体験を思い出すとゾッとします。

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