ある新興宗教団体の塔
投稿者:テラー (26)
短編
2022/03/04
15:15
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北海道出身の知人が語った都市伝説です。
彼が生まれ育った町には奇妙な塔が立っていました。某新興宗教団体が建てた供養塔らしく、中には信者の遺骨が納められているのだそうです。
外観はロシアの寺院によく似ており、たまねぎのように上方が膨らんでいます。色はけばけばしい黄色で遠目にも異彩を放っています。この塔の周辺では人魂が浮遊する、謎の呻き声がするなど数々の怪現象が頻発し、近隣住民に恐れられていました。
さらに怖いのは「この塔に近付くと団体の人間に拉致される」「監禁・洗脳され無理矢理信者にされる」とまことしやかに囁かれていた事で、小学生の知人はわざわざ遠回りをして帰っていたといいます。
実際に塔周辺で一家の失踪や学生の蒸発が起きたことも地元民の邪推を招いていました。犠牲者の骨は塔の内部に隠されていると尾ひれも付きます。
「あの塔は呪われてるんだよ」
本当かどうかはわかりませんが、成人後に上京した知人はずっと故郷に帰っていません。
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