福井県九十九橋、首なし馬

福井県九十九橋で体験した出来事です。

この場所は豊臣秀吉に敗れた柴田勝家ゆかりの心霊スポットで、夜ともなると不気味なほどの静けさに包まれます。車の走行音も殆ど聞こえません。

戦国時代の落ち武者行列なんて正直信じられず、興味本位で出向いたのですが……。

夜10時ごろ、橋周辺を歩いている時にどこからか馬の蹄の男が聞こえてきました。もちろん街のど真ん中を馬が走ってるはずもなく、空耳だと思い込もうとしたのですが音はどんどん大きくなります。

まさかと思って周囲を見回した矢先、首のない馬が颯爽と駆け抜けていきました。

「！？」

驚愕してあとじさった俺に一切動じず、馬の体はだんだんと透けて消えてきます。気付けば周囲には大勢の人の気配が立ち込め、ざわざわと話し声が押し寄せてきました。

ホテルに飛んで帰った後にスマホで検索をかけ、九十九橋周辺に出没する首なし馬の噂を知りました。