「お地蔵さん」の正体
投稿者:小宇宙 (8)
実家近くに、地域の人から信仰を集める変な「お地蔵さん」があります。
変な理由は、ふつうお地蔵さんは地蔵菩薩の姿が彫ってあるのですが、それはただの丸石だから。
つけもの石よりずっと大きく、直径は枕くらいあると思います。
その石をなでたり、持ち上げたりすると、ご利益があるそうです。かなり霊験あらたかで、遠方から訪れる人もいます。
お地蔵さんは道路沿いに小屋掛けしたところにあり、長年そこの大地主であった一家が管理しています。祭りの時には地域の子供クラブが御神輿を出して、このあたりにしては規模の大きな祭りをします。私も小さい時からそれを「お地蔵さん」と聞いて育ってきたので、しばらくは何の疑問も抱かずに過ぎました。
ただ、どうもその石は当初から「お地蔵さん」として作られたものではなかったようなのです。
ある日、ひょんなことから博物館の方と話す機会がありました。聞くところによると、どうも実家近くの川に、江戸時代に「要石」という丸石があったとの事。地図を作る水準点のようなものだったとか、宗教的な意味もあったかもしれないとか。その人は何十年も要石の行方を探しているらしいのですが、どうも見つからない、との事でした。
そういえば、あの丸い「お地蔵さん」は何回も移転して、もともとどこにあったのか誰も知りません。もしかして、皆が「お地蔵さん」と言っているあの石こそ、要石かもしれません。呪術的意味合いはないらしいですが、霊験ありまくりと噂の「お地蔵さん」だし、別の意味で得体が知れなくなりそうです。
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