帰り道
投稿者:やんか (2)
昔コンビニでバイトをしていた。
夜中にシフトが入ることもあったし、それで帰りが深夜になることもあった。
コンビニから家までは歩いて10分ほど。
その日も夕方からバイトが始まって、終わったのは日付が変わる頃だったと思う。
ちょうど最後の曲がり角を曲がって、あとは真っ直ぐ進めば家に着く道に入った。
道について少し説明しておく。
片側にはアパートが建ち並び、その反対には有料道路が通っているため防音の壁がずっと続いている。
家の手前にはその有料道路を越えるための陸橋があって、ちょうど階段の下に当たる部分は雑草がかなり生えていた。
まぁ、とにかくそんな道を歩いてた。
廃棄の弁当とかもらえる時代だったので、それを片手に眠さもあってボーッとしながら家を目指していた。
と、車が1台後ろから自分を追い越して、ちょうど陸橋の向かいにあるアパートに停まった。
停まると同時にバタンッと後部座席のドアが開いて小学生くらいの子供が飛び出てきて、そのまま走って陸橋下の雑草の所に飛び込んでいった。
なにしてんだ?
と思うと今度は助手席から赤ちゃんを抱いた女の人が出てきて、運転席に手を振るとそのままアパートに入っていって車はそのまま行ってしまった。
えっ?飛び出てった子供は??
もう陸橋は目の前で、子供が飛び込んでいった雑草に目をやる。
誰もいない。
あれ?え?
頭のなかが?だらけの状態で自分のアパートにたどり着き、階段を昇りながらさっきの状況を思い起こす。
暗かったけど街灯もあるほどほどに明るい道。
手を降ったお母さん、車には色がある。
飛び出てきた子供は真っ黒だった。
影のような真っ黒の子供だった。
今でも不思議な出来事でした。
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