首つり地蔵にて
投稿者:くりお (3)
10代の頃肝試しが流行っていた冬の話。
季節関係なくその頃は心霊スポットに行くのが流行っていた。
自称霊感があると言う友人を含め5人で神戸市にある首つり地蔵へ行こうという話になり深夜に向かうことになった。
私自身霊感などないしビビりな友人を見て楽しむ恒例行事だった。
今では詳しい場所も忘れてしまったが竹林がありその中に進む人一人通れるくらいの下り階段が続いている。
階段を降り切ったあと細道がありその先に祠があるんだそう。
竹はよくしなり折れないということから竹をしならせて首に縄をかけそのまま上へ吊るされる。
自殺名所だと聞いていた。
いざ心霊スポットに着いた途端、自称霊感ありの友人がカタカタと震え始め『ここには絶対行きたくない』『車から降りない』と言い出した。
みんな信じる様子もなく怖がらせたいだけだろうと信じることはなかった。
深夜寒い中、自称霊感ありの友人を車に残し4人で竹林へと向かった。
怖がりな友人を見て私は心底楽しんでおり、後ろから脅かして見たりしていた。
竹林に降りる階段を降りようとした時、何か異様な雰囲気になった。
みんな感じたのか顔を見合わせ遠くから何がが聞こえた。
車の中に残した友人の方をふと見ると窓を両手で必死に叩きながら叫んでいる。
何を言って言っているかはわからなかったが尋常じゃない。
みんなで戻ろうとした時、下り階段からぶわっと生暖かい突風に襲われた。
その瞬間みんな叫び回り車にダッシュした。
自称霊感ありの友人が『車を早く出して!』と叫び『鍵を閉めて絶対に窓も開けないで』と言った。
車は走り出しその場をあとにした。
自称霊感ありの友人の顔は真っ青で下を向いたまま、なにを車の中で叫んでたのか聞くと階段た付近にいた私たちを囲むように沢山の人が立っているのが見えた。
連れて行かれるかと思ったと話している。
友人は小さな声で『後ろ絶対見ないで』と隣に座る私に言った。
しばらく走りみんな笑い話にしてた時友人も落ち着いていた。
『もう大丈夫』そう言ってホッとしていた。そのあとコンビニに寄った時、私は友人に『後ろ向かないで』てなんだったのか聞くと友人は車の後ろを指さした。
車のトランクにはおびただしい数に手形がくっきり残っていてぞっとした。
みんなに知らせようとした時『みんなを怖がらせたらまたなにがあるかわからないから黙ってた方がいいよ』と友人は手でスーッと手形を消した。
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