謎すぎる事故の原因
投稿者:JM (5)
私がまだ20代で一人暮らしをしていたころの話です。
小さなアパートに住んでいましたが、小さいながらも駐車場が完備された住みやすいアパートでした。
仕事へは車で通勤していたため、駐車場は毎日利用していました。
便利でしたが駐車場には街灯は一つしかなく、夜になると薄暗いのが難点でした。
そんな一個の街灯に照らし出された、薄暗い中での出来事です。
私は毎日運転をしていますが、どちらかというと慎重派な安全運転をしてるゴールド免許保有者です。
駐車で車を傷つけたこともなく、その日も安全に留意しながら車を駐車したのです。
後方を確認し、ゆっくりと駐車。
うまく一回で収まらず、再度切り返して駐車をし直そう。
再び前方を見て、ゆっくり前進をして再度後方を見てバックをする。
なぜかうまく収まらない。
不思議に思いながら再び切り返しをしようと前方をみて、再度ゆっくり車を前に出しました。
その瞬間、バン!とボンネットを強く叩く音がし、驚いた顔でフロントガラスをのぞき込む初老の女性、そして車はガクンと大きく揺れるほどの衝撃と共に、エアバックが開きました。
「人をひいてしまった」
とっさにそう思い、すぐに車を降りました。
しかしそこには何も居ませんでした。
私が見たはずの中年女性はおろか、猫や犬などの動物さえいない。
ものすごい衝撃を感じたのに、車にはへこみも傷も、何の跡さえもありませんでした。
考えてみればおかしいのです。
速度は10キロも出していなかった状況で、何かにぶつかったところであんな衝撃はありえないのです。
私は何か勘違いをしてしまったのかと運転席をみました。
けれど、先ほどの出来事が事実であったのを証明するように、人生で初めて見た開いたエアバックは、先ほどの衝撃を証明していました。
翌日、もう一度昼間の明るい中、駐車場で車をみましたが、やはり外装はなんの跡もありませんでした。
いつもと同じ車。
ただ、エアバックだけが、いつもと違うだけ。
私は何をひいてしまったのでしょうか。
私は見たあの中年女性は見間違いだったのでしょうか。
まだドライブレコーダーが普及していなかったころの話なので、確認するすべはありません。
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