千葉市緑区の踏切でよく会う老婆
投稿者:madcat (3)
これからお話するのは私の体験談です。
千葉県千葉市緑区にある外房線踏切を朝と夕方、バイクで通るときに老婆によく会うのです。
私から挨拶をすると、にっこり微笑んで会釈をしてくれる優しい老婆です。
その老婆は近隣に住んでいるのかいつも徒歩で、乳母車を押して買い物に出掛けているらしく、時々、切り花を持っていました。
ある日の夕暮れ時、高校時代の友人とバイクで走っていると、乳母車の老婆が踏切の角に花を生けているところに遭遇しました。
私は「綺麗なお花ですね。いつもそうしてお婆さんが花を飾ってくれているから、見ていて気持ちも和みます。」と話しかけると
老婆は「真夜中はここを通ってはいけないよ。街灯も無いし暗くて危ない。」そう言いながら足早にその場から離れて行きました。
それから一ヶ月くらいして、高校時代の友人が交通事故を起こしたとのことで見舞いに行きました。
私は友人を見舞いに病院に行くと、彼は思った以上に元気そうでニコニコした表情で病室にいました。
ちょうど彼のお母さんが居たので見舞金を手渡して、病室に入れるか尋ねると、友人の母は「どうぞ」と言って通してくれました。
ところが私の顔を見た途端、友人は急に黙り込むのです。
私は「どうしたんだ?どこか痛むのか?」と聞いてみても、うつむいて何も答えようとしないのです。
「お母さんも心配するぞどうした?何かあったのか?」
友人のお母さんが、病室から出てしばらくして、私の方へ振り向きました。
「なあ、一ヶ月前、あの踏切をバイクで一緒に通った時、お前(私)さぁ独り言しゃべってたよな。綺麗な花だなって」
私は「ああ、お婆さんに話しかけてたんだ・・・お前、あの踏切を通ったの何時だった?」と聞き返しました。すると
友人「夜中の10時過ぎてたよ。遮断機が下りてきて、踏切で足止め食らったんだ。
その後、バイクのエンジンがかからなくて、引っ張って渡ったんだ。気づいたら池に落ちてて、あとの記憶はないんだ」
その時はじめて気が付いたのです。私は、あの老婆が、この世の者ではなかったかもしれないことにです。
私だけが見ていた幻覚なのか、それとも幽霊だったのかはわかりません。
その後は、あの老婆と踏切の近くで見なくなったからです。
そして、友人が夜中に事故を起こすことをそれとなく教えてくれていたのかもしれません。
もう何が何だか全くわからなくなりました。ただその踏切は今も存在していて、誰かがその老婆と会っているのかもしれないのです。
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