村の連中だって、じぶんたちが信じているのが変なヌルヌルだった、なんて思いたくないだろ?
もちろん、ガキの俺がそこまで考えてたわけがない。いろいろまとめて、「なんとなく」嘘をついたんだ。
だから村長が「本当に良かった。汚い大人たちを許してくれ」って謝ったのを見て、心が痛んだんだよね。
いまでも思い出すと結構キツい。
家に帰ったらばあちゃんもお袋も泣いて喜んでくれた。
お袋はしきりに「ごめんね、ごめんね」って謝ってたっけ。
終わったあとのことのほうがくっきり覚えてるんだよな。
親父がそのときに見てたテレビとかさ。
あとから聞いた話なんだが、儀式って言うのは当事者がやらなきゃ意味がないらしい。
この場合だと、Aさんが一番の当事者なんだ。
でも、肝心のAさんは頭がおかしくなってた。
逆に石引様に粗相するかも知れんっていうのは、村の会議で悩みの種だったみたいなんだ。
そもそも俺がぶっ倒れなきゃ、こんなに話が大きくなることはなかった。
俺がじいちゃんにAさんの話をしてなかったら、誰もこのことを知らなかったはず。
じゃあ、騒ぎを持ち込んだ俺にも責任があるよねっていう暴論で、俺が選ばれたらしい。
ホント、とんだ貧乏くじだった。いま思い出しても笑えない。
おかげで俺はしばらく、魚介類が食べられなくなった。
あの祠から出てきた奴を思い出しちゃうからな。マジでいい迷惑だ。
その年の冬にじいちゃんが亡くなって、後を追うようにばあちゃんも亡くなった。
ゆかりがなくなった俺たちは、その年を境に村に行かなくなった。
で、なんでこんな昔の話を書いてるのかっていうと、つい先日、お袋から面白い話を聞いたからだ。
帰省したときに昔のモノ漁ってたらゲームボーイアドバンスが出てきてさ。
なんかいろいろと懐かしくなったんだよ。
そんでお袋に聞いてみたんだ。
「石引様って結局なんだったの?」って。
そしたらお袋、
「あれは本当に恐ろしいよねぇ」なんて言うんだ。
俺びっくりしたんだよ。
「いやいや、いい神様だろ。俺たちの味方じゃないのか?」って言ったら、お袋がすんげぇ顔しててさ。
そこらにあったメモ用紙にさらさらって文字書いたんだ。
「意志弾様」って。
























とても読み応えありました
面白い話しでした
洒落怖全盛期を思い出しました
どうしても昔のうひゃうひゃうひゃを思い出すな
これって1さん憑かれてない?
1です。たぶん大丈夫ですよw
山形の人は気が強いのか。そうかもな。
長いけどよかった
ねぇ1さん 寝言 録音してみよ
ちょっと古臭い
これって、石引様に何かされてるだろ。
> モテないわけじゃないんだぜ?
結構夜の町でひっかけたりするんだけど、
…夜は夜でポン引き様に魅入られちゃったんですね、わかります
他所から遊びに来てる子供に儀式を任せるとか正気か
よくそんなノリで長い間伝統を維持してこれたな
儀式をやったのその時が初めてなんじゃねえのって思っちゃうくらいの杜撰さ
騒ぎを持ち出した少年に責任とらせるっていうのが田舎らしい。
だぜ?
Aさんの様子が統合失調症の症状や薬のストレス性チックに合致するけど医療に繋げてくれる人はいなかったのかな
この手の話を聞く度に思う。誰かを犠牲にしないと存続出来ないような村ならいっそ滅べ、と。生き残る奴が、犠牲になった人より価値があると思えない。鏖殺でええよ。
村落 カミサマに纏わる話は、総じて救いがないというか、恐ろしい話が多い。
言い伝えられている名前とは違う、別の名前をもっていたりする。
儀式や決め事を守らなかった者たちの顛末とか、この手の話には、よくある展開だったけど、ラストでゾクリとした。あぁ、取り憑かれているねって。
時代は変わり、もう集落なんて過去の遺物になるんだろうけれど、話自体は、こういう形で残っていくんだろうな。
面白いですよ。うひゃひゃ。
杉ちゃんかな?
寝言でうひゃうひゃ言われてちゃ醒めるわなw
これ家にばっかいるなって外に出した爺ちゃんが一番の元凶じゃね?
ま~たこんなパターンの創作話、と読み始めたが。
なんだか何カ所ものディテールがリアルっぽい。まぁ、上手いのでしょう。ほんわりと怖い余韻もしっかり残すし。
寝言でうひゃうひゃ笑ってるんだろうな
村の迷信に惑わされて医療機関に繋げてもらえないAさんが気の毒すぎる。これはヒトコワでは?もちろん怖いのは村人の方で。
最後が蛇足に感じてしまうが面白かった!
ぶったたいた母が怖い
すべての禁忌犯してるくせに普通に無事なのが草
くっそつまらねぇ駄作だな
おー
儀式の矢面に無理やり立たせた村人も、一切孫を守ろうとしなかった祖父も叩いた母親も全員クズだな
禁忌の代償として皆死ねばよかったのにw