立つだけのバイト
投稿者:釣瓶落 (1)
そして、すぐに俺は実家に帰っておじさんの務めている寺に向かった。
「おぉ!どえらいもんつれてきてんな!久々にみたわ」
おじさんは顔をしかめながら俺に向かって言った。
母親は見えてはいないものの何か感づいているらしい。
訳が分からないのは俺だけだった。
「とりあえず御祈祷して、あとはゆっくりだな!しばらくはつらいからな」
おじさんは厳しく言うと俺は御祈祷を受けた。
御祈祷を受けている間は久しぶりに心が現れるような何かに包まれているような気がした。
そして、御祈祷が終わった後、お茶を出されて俺はずっと気になっていたことを質問してみた。
「あ、あの…俺には何がついてたの?あれは何なんです?」
俺が質問するとおじさんはにがにがしそうに答えた。
「あれはいわゆる呪いだな…お前何か耳元で言われただろ?」
そういわれて俺はすぐに思い出した。
公園で待っていたら、女が近づいてきて耳元で俺に何かをつぶやいた。
ここでは書かないが呪文のような言葉だったのを覚えている。
「お前は呪いをかけられたんだよ」
「の、呪いってそんなバカな…」
俺はありえないと信じたくなかったが実際被害にも合っている。
どう理解すればいいかわからなかった。
「祝うことができるようにその反対の呪いってのは、有名じゃなくてもあるんだよ」
「今は呪いの代行業者もあるくらいだからな」
「おそらくまだ呪いとしても軽いものだから練習がてら誰かに試したかったのかもしれないな」
俺は開いた口がふさがらなかった。
俺が受けた仕事は呪いを受けるというものだったのか。
だから立ってるだけで2万円。
そりゃ高いわけだ。
「しばらくの間は枕にお札を入れて眠れ。そうしてるうちに相手に呪いが返る」
「呪いが返れば相手のほうが苦しむから、もうお前にも影響ないだろ」
俺は飲み込み切れなかったが、一応解決したのかと思い一安心した。
一応ネットなどを調べると呪いの方法などもいくつか出るらしい。
しかし、素人がやると破られたときに返ってきてどうにもならなくなることもあるそうだ。
日本じゃ呪いは犯罪にはならないが、実際にやっている人もいる。
そして、実際に被害も合うんだと俺は初めて知った。
とても強い呪いだよ(‥;)相手には倍の呪いが返ってるだろうね(..;)