高校生の時に体験した、ある日の自習時間での出来事です。
期末試験も近かったのですが、それは天気の良い日で、
クラスの大半の人が楽しそうなおしゃべりに講じていました。
そんな中、私は真面目に教科書とノートを広げて
自分の机で自習していました。
私の後ろの席のKさんも、同じように静かに机に向かっていました。
自習を始めて30分ほども経った頃でしょうか、
私はふと、後ろのKさんが何故か気になり、
自分の肩越しに後ろを見つめました。
すると、下を向いてノートを見つめている様子のKさんでしたが、
Kさんの右の肩のあたりの空気が渦を巻いているように見え、
そこだけ気流が違っているような不思議な印象を受け、咄嗟に私は(“手”だわ)と思いました。
私は前を向いてから、(“手”が見えた?)(あれ?誰がいたのかな?)と思い、もう一度肩越しに振り返りました。
でも、そこには誰の姿もなく、他のクラスメイトはかなり離れたところで
背中を向けておしゃべりに夢中でした。
私は(“手”だと思ったけど、見間違いかな?うん、見間違いだよな)と思いながらも、
何か気持ちが落ち着かず、振り返ってKさんに話しかけました。
「ねえ、Kさん。私、いまKさんの肩に誰かの手があったように見えたんだけど・・・。」
急にKさんは悲鳴をあげました。
私は戸惑い、どうしたかと尋ねました。
Kさんは私に「“手”が見えたの?」と確認しました。
私は「見えた」と答えました。
すると、Kさんの話はこうでした。
「私、よくあることなんだけど、
誰かに肩を叩かれたような気がして振り返ると、誰もいないってことがあるのよ・・・。
今もね、誰かに叩かれたような感じがして、固まってしまっていたの・・・。」
その話を聞いて、私は顔をこわばらせ、しばらく何も言えませんでした・・・。
昼のさなかに起きた、不思議な出来事でした。
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