「危ないよ」と教えてくれる男の子
投稿者:ゆん (7)
私が中学生だった頃の話です。
何処の高校の受験をするかを決めるのに、色んな高校に行き、毎日通える距離なのか、規模はどれくらいなのかを見に行っていました。
見に行ってからオープンキャンパスなどの見学に行っていました。
私は方向音痴なので、母抜きでも行ける距離かつ、道なのか、1人で行くこともありました。
そんな時の事です。普段からぼーっとして自転車を漕いだり、考え事をしていることが多いのですが、いつも通り考え事をしながら自転車を漕いでいると、突然「危ないよ」と男の子の声がしました。
危ないよの声に自転車を止めて周りを見渡すと、誰もいませんでした。
空耳かな?と思い、また自転車を発進させようとすると信号があり、信号の色は赤でした。
信号に全く気が付いておらず、そのまま走っていたら赤信号で飛び出して恐らく轢かれていました。
何だったのかは謎ですが、何とか助かったと思い、気を引き締めて帰ることにしました。
家に帰ってその事を話すと、家族に気を付けて自転車に乗る事、そしてもしかしたらその辺にいた何かに助けられたのでは?何にせよ良かったねと言われて終わりました。
そしてまた高校の見学の為母と一緒に同じ道を通る事になりました。
行きは何にも無かったのですが、帰りの事です。
「危ないよ」の声をかけられた道で小学生くらいの男の子の自転車のカゴの中で体操座りをしている幼児の男の子を見ました。
あまりにもハッキリと見えたので、あの小さなカゴによく入って、小学生くらいの子はよく漕げるなと思っていました。
隣にいたのでじーっと見ていると、カゴの中の男の子が「周りをよく見てね。危ないよ。」と言いました。
え?と思っていると、信号が青に変わって小学生はそのまま行ってしまいました。
ぼーっとしていると、母に「早く行くよ」と言われ、慌てて行きました。考えても仕方がないので、忠告通り周りを意識しながら運転していると、丁度信号で右に曲がって来る車が見えたので、母に危ないから止まろうと声をかけ、いつもなら急いで突き進むところ、止まる事にしました。
すると、猛スピードで信号を渡ったおじいさんが目の前で右に曲がって来る車に轢かれて倒れました。
そのまま車は轢き逃げして行きました。おじいさんは特に大きな怪我もなく、車に対して暴言を吐いていました。
轢き逃げ現場を見る事になるとは思いませんでしたが、男の子の忠告通りに周りを見て慎重に判断して良かったです。
カゴの中の男の子は、母には見えていなかったし声も聞こえなかったらしいですが、きっとこうなる事を予知して教えてくれた親切な何かだったのではないかと思います。
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