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心霊

ユッコさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

「おじいちゃんがいる!」
短編 2021/09/29 18:17 1,250view

まだ祖母が若い時代の話し。当時は電話もテレビもない時代。祖母のおじいちゃんからこれからそっちに遊びに行くと電報が。
ところが待てど暮らせどおじいちゃんが来ない。 そんな時にラジオから溺死体があがったと。唯一の本人確認の手がかりがベルトに下がってた自筆の川柳が書かれたさらしの手ぬぐいと。
そこで祖母のおかぁさんが気付いた。おじいちゃんは川柳の先生をしていたので、おじいちゃんだと。

通夜と葬式を済ませ、祖母と妹が寝てる部屋の仏壇に供えた。
数日後、祖母が帰宅途中、当時は街灯もなく、真っ暗な夜道を歩いてると、なぜかカラスが変な鳴き声でないていたと。
変だなと思いつつ、帰宅しいつものように寝る前に仏壇の扉を閉めて寝始めた。
すると夜中に目が覚めて、ふっと見ると閉めたはずの仏壇の扉が開いていた。

そしてろうそくも点けてないのに、なぜか戒名まではっきり読めたと。

翌朝おかぁさんに事の次第を伝えたが、扉を閉め忘れたんでしょう。と真剣には聞いてもらえなかった。
その数日後、夜に寝てると名前を呼ぶ声で目が覚めた。そこにはおじいちゃんが祖母を上からのぞきこんでいた。
一瞬あっ!おじいちゃん!と
でも次の瞬間おじいちゃんは亡くなってると。
慌てて飛び起きて、二階の部屋から転がり落ちるように一階に行き、自分のおかぁさんをたたき起こした。
「おじいちゃんがいる!」と

おかぁさんは全く意味がわからず。「どこにいるの?」と
階段下に連れて行き「あそこにいる!」と
祖母が二階の階段のところを指さした。でも祖母のおかぁさんには見えないと。誰もいないじゃない。と
でも祖母には見えていた。階段の手すりに手をついて下にいる祖母をのぞき込むようにしているおじいちゃんを。

きっとおじいちゃんは孫である祖母に会いたくて道を急ぎ、途中の川で顔を洗ってるときに、足を滑らせて川でおぼれてしまったんだと。
可愛がってた孫にどうしても会いたくて、祖母のところに来たんだと思っていると。

亡くなった祖母からよく聞かされた実話です。

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