あの子の最後のお別れ
投稿者:平家 (4)
以前実家で猫を二匹飼っていたときの事です。
2匹のうち1匹は三毛猫のヤンチャな男の子でした。
当時の私まだ幼く、一緒によく遊んで、一緒によく寝ていました。
よく家に一人でお留守番をしていたため、寂しい時いつも寄り添ってくれていて正直お兄ちゃんみたいな存在の子でした。
その子の名前を呼んであげるとよく飛んできて、膝に乗ったり、「ウソ、呼んでないよ」なんて意地悪してしまった時はプイッとしますがおいでをすると飛んで来る甘え上手なお兄ちゃんでした。
そんな仲良く過ごしていても別れは突然でした。
何年も一緒にいたけど、両親の離婚により、父に猫たちを連れて行かれました。
2年くらいが経ち、猫も歳だから元気にしているかと思い父に連絡しら「会社にいたんだが逃げ出してしまった」と。
すごくショックでした。
年老いているのであの子が雨に打たれたりして寒くないかと心配していました。
実家の居間で締め切った窓の外を見ていたら、窓の半分下はすりガラスになっているためはっきり見ることはできなかったですが。猫の鳴き声で窓を再度みたら仲の良かった猫の姿が見えました。
鳴き方、三毛模様で特徴のある柄。
慌てて窓を開けにいきました。
開けてみた時には体半分は壁に隠れてしまっていましたが、お尻の模様、いつも撫でていたからわかりました。
名前を呼んで慌てて隠れてしまったところまで行きましたが、もう姿はありませんでした。
のちにふと疑問に思ったのは、庭の窓で猫の体全体が映ることは難しいのです。
庭に繋がっている窓の下は大人の膝下ほどの段差があります。
どう考えても、すりガラス映り込むには無理な段差なのでみんなには「うそだ」「見間違えだ」だと言われましたが間違いなく見ているので嘘ではないです。
父に話をしたら「そうか」と黙り込んでいましたが、父の雰囲気で私は気が付きました。
あの子の最後のお別れだったんだと。
一緒にいてくれていつも元気をくれていた愛猫に感謝しています。
それと今も思いますが三毛猫の男の子がものすごくめずらしいことなのも気が付きました。
私の実家はほぼ幽霊屋敷だからこそお別れをしに来てくれたのかなとも心の中で嬉しさもありました。
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