1年越しの兎の復讐…？

私は友達からどうしてもと言われて、生まれたばかりの子兎を3匹もらったことがありました。
段ボール箱に入れて持ち帰り、親に頼み込んでお庭で飼うことになりました。
専用のウサギの小屋を作るか、買わないといけないのですが、両親が忙しくてなかなかそれをすぐに準備することができず、そのまま段ボールに入れたまま飼っていたんです。このせいで悲劇が起こってしまいました。

私の家の裏は山になっています。もともと田舎に住んでいて、そんな場所だったのですが、このせいで悲劇を目にしてしまったのです。

弟が「うさぎが騒いでいる」というので、行ってみたら衝撃の状況が…。なんとお腹を異常なくらいぱんぱんに膨らませた蛇がウサギを丸のみにした状態で、段ボールの中に居座っていたのです。

私たちは親を呼び、すぐに兎を丸のみにした蛇を殺してもらいました。しかし、もう既に3匹の内2匹は丸のみにされて命はなく、あまりの状況に私たち兄弟はワンワン泣いて悲しみました。その中でなんとか1匹だけ運よく無事だった兎を見つけました。どのようにしてかは分かりませんが、段ボールの中から逃げ出し九死に一生を得た兎でした。車庫の方に逃げ込んでおり、私たちはその子の生存を喜びました。

しかしです。それから1週間も絶たない内に、この兎は突然姿を消しました。外に置いていた段ボールを玄関に持ち込み、安全なように囲っていたはずなのに、本当に急に姿を眩ましたのです。そしてこの兎が姿を眩ましてから時が経ち、丁度蛇に兎が丸のみにされた日から1年後に再び恐ろしいことが…。

うちの庭に蛇の親子の死骸が落ちていたのです。何にやられたのかは検討がつきませんでしたが、まるで八つ裂きにされたかのような酷い状態の姿で庭で発見したのでした。

この一連の出来事を私たちは「兎の仕返し」と大いに怖がりました。実際これは偶然の出来事だったのかもしれません。しかし、この蛇の事件が起こる丁度2～3日前に弟が「裏山で兎を見た」と騒いでいたのです。突然消息不明になった兎には1つある特徴がありました。頭のてっぺんにぽつぽつと黒い模様が入っていました。弟が見た兎はまさしくその特徴のある兎で、いなくなったあの兎だと騒いだんです。

1年越しの兎の復讐。もしかしたらあの兎は兄弟を殺されてその仕返しのために私たちの前から姿を消したのかもしれません。恐怖と共に少し胸が痛くなってしまう気味の悪い事件で、今も忘れられないです。