視聴覚室での恐怖体験
投稿者:韋駄天 (1)
私が小学校3,4年生の頃のことです。
他の学年が3~4クラスあるのに比べ、私の学年は2クラスで1クラス20名程度と人数が少なかったため、全員の名前と顔が一致しており、男女分け隔てなく仲良くしていました。
人数のせいもあるのか、体育を始め、算数・国語など2クラス合同で授業を行う事も少なからずあり、また1クラスだけで授業をやっている時も、自分のクラスの授業が先に終わると、隣のクラスにちょっかいを出しに行き、怒られる生徒も多々いました。
ただ「道徳」の授業でビデオ鑑賞を行うときは、視聴覚室が2クラス分の生徒が入れるほど広くなく、自分たちのクラスと階も違ったため、1クラスのみで授業を行っており、隣のクラスの生徒が茶々を入れに来ることもありませんでした。
ある日の道徳の授業は終戦記念日が近いということもあり、「ほたるの墓」の鑑賞でした。
アニメ作品とはいえ、2時間弱の長時間の上、戦争という子供には分かりにくいテーマ、それに加えグロテスクなシーンも多少もあり、早々に飽きてしまう生徒もおり、僕もその一人でした。
他の教室とは違い、視聴覚室にはクーラーがついていたので、窓を閉め暗幕をしてありましたが、外からはプールの授業を受けている生徒の楽しそうな声と、セミの音が入ってきていました。
「ビデオ鑑賞だから楽しいと思ったのに、こんな映画だったらプールが良かったなぁ。いいなぁ、外のみんなは楽しそうで。」
そんなことを思いながらふと暗幕の上の隙間に目をやると、生徒がこちらを覗き込んでいました。
狭い隙間からでしたが、その生徒の顔に見覚えが無かったので、他の学年の生徒だろうと思いながら、
「そんなことしてるとまた先生に怒られるのに」
と考えながら映画の続きを見ていたのですが、ふとあることに気づき背筋が寒くなりました。
そう、視聴覚室は4階だったのです。
ましてや生徒が覗き込んでいた側はプールの授業を行っていたため、どんなわんぱくな生徒がよじ登ろうと考えたとことで、誰の目にもつかずに登ることはできません。
生徒たちの間でまことしやかに噂されていた、この小学校は墓地の跡地に建てたという話は、まんざら嘘でもないのではないかと思いました。
ひのえうま生まれ?