家の前にいる
投稿者:クーワ (4)
短編
2021/06/10
21:27
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私にこの話をしてくれた父は、珍しく少し震えていました。
夏だったにもかかわらず寒気がしました。
背筋が凍る という表現がまさに近い、父が話し終わった直後に強烈な寒気に襲われました。
実はその話を聞いた時、私はその家に泊まりにきていたんです。
2人で酒を飲んでいたので、そのせいで寒気がするのだろうと思いたかったですが、おそらく別の理由だったと思います。
思わず、まだ何も映していないモニターを見てしまう。
父の方を見ると、父もモニターを見ていました。
ですが、私も父も、外を見ることは出来ませんでした。
次の日、私は父の家を出ました。
その頃には恐怖は和らいでいました。
私を見送ったあと、ふと思い立ってモニターの録画履歴を見たそうです。
配達のお兄さんや勧誘の方など、まあおおよそ怪しいものは写っていませんでしたが、ひとつだけ、目を引くものがありました。
録画機能の静止画は日付がわかるようになっているのですが、一枚だけ日付が
—-/–/–
となっている、ノイズのような録画があったそうです。
こんなもの、前からあったかな?
そう思いながらも見ていた父は気付きました。
あ、これ違う、ノイズじゃない と。
ノイズのように見えるものは、超接近して映された、人間の髪だったそうです。
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全体的にとても怖い。
それはそれとして件の女性幽霊(?)の魂の叫びが妙に可笑しい。
“深夜にしつこくドアをノックされるのに確認すると
外には誰もおらず、実はオバケが内側から叩いていた”
という話と同じくらい怖いです 防犯カメラは異常事態に
限らず、面識の無い人間が写っていても充分に怖いです